韓国で『ジェノサイド』出版 国籍を超越した人類愛、李秀賢さんのストーリーも

韓国で『ジェノサイド』出版 国籍を超越した人類愛、李秀賢さんのストーリーも

2012年07月09日15時25分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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SF・推理小説『ジェノサイド』の著者、高野和明氏。 東京現地で会った高野氏は「10年前に米国で映画の勉強をした時、韓国人留学生と親しくなった」とし「文化は違っても韓国人は距離を感じない」と述べた。 映画監督・奉俊昊(ポン・ジュノ)氏の熱烈なファンという。
  興味深い仮説を一つ。 「人類が生き残ったのは知性ではなく残虐性のためだ」。すべての生物のうち人間だけが同じ種の間でジェノサイド(大量虐殺)を行うため、早くから地球上にいたネアンデルタール人は現生人類によって滅亡したとみる。

  先月、韓国語で出版された日本のSF・推理小説『ジェノサイド』はこの仮説を強調している。 人類に対する不信に満ちたこの小説は、東日本大震災で混乱していた過去1年間に40万部が売れた。 5日、日本・東京で著者の高野和明氏(48)に会った。 01年に『13階段』で江戸川乱歩賞を受賞して登壇した高野氏は、作品を出す度によく売れる人気作家だ。

  『ジェノサイド』は高野氏が6年ぶりに出した新作だ。 長期の内戦に苦しむコンゴで人類よりも進化した「超人類」が生まれ、米国政府は超人類を除去するために陰謀を企てる。 日本人科学者の古賀研人と米軍兵士は米政府を阻止するために力を合わせ、双方の頭脳の戦いは国籍を超越して大規模に広がる。 古賀研人の最大の助力者として韓国人科学者が登場するが、線路に落ちた日本人を救って亡くなった故李秀賢(イ・スヒョン)さんが実際のモデルだ。 高野氏は「各種の歴史・科学資料を調べるため執筆に2年半かかった」と述べた。

  --人類に対してあまりにも否定的では。

  「人間は集団を作って生活するが、集団と集団は必ず衝突するものだ。 私たちがチンパンジーやゴリラを見ながらさまざまな習性を観察するように、人間のこうした性向を第3者の視点で描いたというのが、この本のコンセプトだ。 国籍が違うというだけで争ったりもするが、李秀賢さんのように国籍を超越して人を助ける人もいる。 さまざまな顔を通じて人間の全体像を表現したかった」

  --「超人類」を除去しようとする人物に米大統領が登場する。

  「01年に米国が起こしたイラク戦争が参考になった。 最初は大統領を相当な悪人として描こうとした。 しかし人物を研究すればするほど平凡だと考えた。 権力が与えられれば普通の人も戦争を命令できるということに人間の恐ろしさを感じた」

  著者は南京大虐殺と関東大地震後の朝鮮人虐殺についても書いた。 先祖の悪行を書いた理由を尋ねると、「コンゴ、ルワンダ、独ナチの虐殺を書きながら、日本がしたことを書かないのは不公平だと考えた」と述べた。 故李秀賢さんをモデルにしたことについては、「似てみたい人物なので小説に入れた」とし「米国留学当時、韓国の友人から『韓国人は嫌いな人にも(憎い)情という表現を使う』と聞いて驚いた。 主人公の古賀研人は韓国人の情を理解したがっている人物」と述べた。

  人間の対決で始まった小説は、ジェノサイドをしようとする人類と人類を除去する能力を持つ超人類の争いに進む。 しかしそのカギは結局、人間が握っている。 著者は結末について「超人類が平和的かどうかは意図的に設定しなかった。 人間が引き続き残虐なことをすれば、人類を滅ぼすことになるはずで、平和のために努力をすれば滅びることはないだろう」と伝えた。
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