【取材日記】なぜ韓国からノーベル科学賞の受賞者が出ないのか

【取材日記】なぜ韓国からノーベル科学賞の受賞者が出ないのか

2010年10月12日17時03分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  韓国は体外受精で‘試験管ベビー’を誕生させる技術では世界レベルだ。 私たちの民族は数千年前から箸を自由自在に使い、手の技術が優れているためだ、という自賛もつく。 今年のノーベル医学生理学賞は、1978年に世界で初めて体外受精児を誕生させた英国のロバート・エドワーズ博士が選ばれた。 しかし人工受精の成功率を高めた韓国人の名前は見られなかった。

  曲げても折れず、電流が流れ、‘夢の物質’と呼ばれるグラフェン。 商業化のためには大量生産が必要だが、国内の研究陣はこの点で世界レベルという評価を聞く。 しかし今年のノーベル物理学賞はグラフェンを初めて分離した英マンチェスター大学のアンドレ・ガイム教授とコンスタンチン・ノボセロフ教授が受賞することになった。

  世界の碩学は、韓国が科学技術分野で短期間に目覚ましい発展を遂げたという点に驚いている。 にもかかわらず毎年ノーベル科学賞の夢は水の泡となって消える。 隣国の日本は今年も2人のノーベル化学賞受賞者を追加し、日本国籍のノーベル科学賞受賞者は14人に増えた。

  日本に追いつく方法はないだろうか。 韓国の社会に蔓延する「真似」の習性に注目したい。 先進国のアイデアや商品に早く追いつく方法がこれまでうまく機能してきたという点が、もしかするとノーベル科学賞には障害になっているのかもしれない。 グローバル企業として大規模な三星(サムスン)電子・現代(ヒョンデ)自動車・ポスコなど国内業種トップ企業の製品の中には「真似」に注力して成功したものが多い。 ある大企業の最高経営者(CEO)は「人の後ろ姿を見ながら山に登ってきたが、頂上に来ると自分一人だった。 しばらくどこへ行けばよいのか分からなかった」と吐露したことがある。

  海外留学を終えて研究現場に戻ってきた若い人材の研究課題も、留学時代のテーマから外れると苦労する。 国内の大学に最近就任した教授は「よく知らない分野の研究計画書を作成し、研究費を要請したところ、根拠資料が足りないという理由ですぐに返送されてきた」と語った。 習熟したテーマ、論文が近く出てくる分野に大学や政府の予算が配分されるのは科学技術界の不文律だ。

  ノーベル科学賞は他の人たちが考えないようなことに挑戦した人たちが主人公だった。 毎年この時期になると、特異な人物が歓迎される‘開かれた社会’について考えてしまう。

  沈載祐(シム・ジェウ)経済部門記者
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