【社説】無償給食は票を狙った典型的なポピュリズム

【社説】無償給食は票を狙った典型的なポピュリズム

2010年03月10日12時13分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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   子どもたちにおいしい昼食を食べさせるのに反対する人は誰もいない。「学校無償給食」公約はこうした点で注目を集めるカードだ。6月に地方選挙を控え、民主党・民主労働党・創造韓国党・進歩新党・国民参与党の野党5党が「無償給食の実施」を最大公約で掲げることで合意した。給食費の負担が減る保護者はこれを嫌がるはずはなく、給食費の支援を受ける貧しい家庭の生徒が心の傷を負うこともなくなるだろう。どの候補も公に無償給食に反対するのは容易ではない。野党は「空腹の子どもにご飯を食べさせるお金がそんなに惜しいのか」と主張しながら投票者の心を刺激している。

  野党は憲法31条を取り上げて「無償教育」と「無償給食」は権利だと強調している。普遍的な福祉ということだ。これに対し、政府は資源の効率的配分を考慮しないポピュリズム的な発想だと批判している。無償給食は各家庭と保護者が恩恵を受けるかのように映るが、結局は1兆8000億ウォン(約1400億円)の追加費用が国民の負担に回るということだ。与野党が衝突すればすべてのことが理念論争に発展するのは無償給食も同じだ。

  しかし今日の韓国でこうした論争に火がつくこと自体が残念でならない。先進国ではすでに1970年代、フィンランドの無償給食導入をめぐり論争が終わっている。結論から言えば、各国は独自の学校給食制度を採択した。一部の北欧国家は無償給食を実施している。しかし米国・英国・日本などは低所得層の児童を中心に30-50%に無償給食を提供し、残りは受益者負担原則を守っている。フランスは所得層別に学校給食費が異なる。また第1子からは高い給食費を受け、第2子、第3子になるほど負担を減らしている。こうした制度がはるかに公平で正しいというのがフランス社会の合意だ。

  韓国社会の論争も生産的な方向に向かわなければならない。学校給食には急いで解決すべき問題が少なくない。13%にすぎない無償給食比率から先進国水準に高めなければならない。例年行事のように繰り返される休暇期間の欠食児童の空腹問題も解決すべきだ。数万人の児童が週末と休日、休み期間になると空腹に苦しむが、死角地帯として放置されている。子どもたちが心の傷を受けないように、学校と役場の行政電算網の連係も急ぐ必要がある。最近、先進国の関心は学校給食の質に移っている。成長期に質が良くバランスが取れた食事をしてこそ、後に医療費用を画期的に減らし、社会的な厚生を増大させられるという研究が相次いでいる。私たちは無償給食というスローガンに注目しているが、給食の質が犠牲にならないか考える必要がある。

  韓国は過去20年間、派手な公約の後遺症に苦しむ経験をしてきた。無償給食の賛否も結局は有権者が選択する問題だ。親庶民を標ぼうした野党が「負担能力が十分にある中産層の児童にまでなぜ無償給食を提供するのか」と主張する理由は何か。票狙いにすぎず、結局は庶民の児童の教育予算削減につながらないのか。こうした質問を無視したまま無償給食という甘い政治的公約を主張し続けるなら、それはまさに恥知らずな言動だ。
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