【コラム】「婚姻憑藉姦淫罪」依然として必要

【コラム】「婚姻憑藉姦淫罪」依然として必要

2009年09月11日09時53分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  女性部が「婚姻憑藉姦淫(かんいん)罪(結婚を口実に関係をもつこと。不倫罪)は違憲」という意見書を憲法裁判所に提出した。

  これを受けて進む議論を見ながら、女性部の立場を理解しながらも「両性平等」の両面性を考えざるを得ない、というのが筆者の判断だ。姦通罪について調査、研究中だった90年に姦通罪の憲法訴訟が提起された。筆者は当時開かれた女性団体の討論会で、姦通罪の廃止を求めたことがあった。そうすると、男性教授ら一部から「ありがたい」といわれ、当惑した記憶も新しい。

  当時までも筆者は若く「形式的平等」を重視し、国家の介入に反対した。しかしその後、諸経験を経て、韓国の女性に形式的な平等が必要だが「実質的平等」がより重要だと考えるようになった。そのため筆者は慎重な立場を表明したい。争点は大きく2つだ。

  第一は、婚姻憑藉姦淫罪が男女平等に反するため廃止されるべきか、それとも女性の権益を保護するため維持されるべきか--である。第二は「ベッドの中の問題」まで国家が干渉すべきかという問題だ。

  ひとまず、婚姻憑藉姦淫罪は「男女平等」の憲法精神に反する側面があるという見解は、形式論理上、肯定できる。しかし実質的平等を踏まえればどうなるか。性交渉が自由化した西欧とは異なり、韓国社会で、結婚を約束した性交渉以後に破局した場合、男性より女性が深刻な被害を受けるのが現実だ。「男は浮気、女は貞節」という言葉は依然有効である。こうした現実社会の不平等を深刻に考慮しなければいけない。

  統計を見てみると、婚姻憑藉姦淫罪で訴えた事件は04年784件、05年703件、06年764件、07年572件へと減少傾向にある。しかしこの統計は、訴えられた事件の統計であり、訴えていない事件はこれをはるかに上回るはずだ。同法が廃止されれば、被害を受ける女性ははるかに増えるとみられる。男女差別的な貞節のイデオロギーが弱まったとはいうものの、依然大きな影響を及ぼしているからだ。

  形式的な男女平等の条項があるが、その条項のため女性が損害をこうむるケースもある。形式的な両性平等を韓国より先に導入した米国の場合、男女平等条項のため離婚した専業主婦や死別した女性は、かつては終生受領できた慰謝料や年金が短期間に減る損害を受けることになったという。これは形式的平等の意図しない結果をよく示した例だ。

  性の問題は、かつて人口、保健、道徳の問題として国家が介入していた。しかし現代になっては、性問題は自己決定権の問題、プライバシーの問題になり、国家の介入が疑問視された。こうした問題にまで国家が介入するのは時代の趨勢(すうせい)に合わないと考えられる。しかし重要なのは韓国の現実だ。性的な自己決定権を行使する個人が「果たして実質的に平等な脈絡の中で行為するのか」である。

  いまだ広がる男女差別的な性倫理により「法の前で平等」という理念とは異なって、現実的に女性が被害を受ける蓋然(がいぜん)性が大きすぎるのではないか。したがって「男女平等の社会的脈絡が実現されるまで」国家の介入が必要だという見方も説得力を増す。より具体的に、現行の婚姻憑藉姦淫罪のうち「婚姻またはその他の詭計をめぐらして、婦女を姦淫した者は2年以下の懲役または500万ウォン(約40万円)以下の罰金に処す」という条項で、「婦女」を「人」や「男女」に改正し、男女平等の憲法精神を生かすものの、法を維持する案を積極的に検討すべき必要がある。

  何よりも女性部は、男女間の形式的平等に劣らず「実質的平等を向上させること」により関心をもち、努めるよう願いたい。これが女性政策と両性平等の面で、韓国が先進国に進む道だと思われる。

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