大韓民国は必ず実現しなければならない夢がある。「先進国」になることと「韓半島平和」の時代を開くことだ。平和は周辺の応援も必要で、われわれの意志だけで実現できるものではない。しかし先進国の夢はそうではない。純粋に自分たちにかかっている。先進国に向かう韓国人の熱望を他国の人々は理解できない。「先進技術」「先進経営」「先進制度」「先進サッカー」など自国より進んでいるものなら何でも取り入れた。植民の劣敗感と戦争の惨めさを打ち消そうと、世界の嘲弄に耐えながら歯を食いしばってここまできた。産業化の険山と民主化の峻嶺も越えた。人々は奇跡だと驚嘆するが、その谷間にわれわれがいかに多くの血と汗と涙を流してきたか分かっていない。
いまやほとんど来るところまで来たようだ。もう少し頑張ろうとみんなが「先進化」を叫ぶ。国政の目標も「先進化」だ。ところがここで分かれ道が出てきた。われわれは進むべき道をきちんと選べるだろうか。1人当たりの国民所得が3万ドルを超え、経済規模が世界10位ほどになれば先進国になるのか。スポーツと文化で世界が認める強国になれば先進国だと呼んでもいいのか。もちろんそう言えるかもしれない。しかし量的な成長は先進国の必要条件であって十分条件ではない。