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日本最高の大衆歴史小説作家、司馬遼太郎は「坂の上の雲」で、日本の近代化過程を見事に凝縮させた。とても有名な本なので、記者も10年前から所蔵していたが、ぱらぱらめくった程度だった。しかしNHKが29日から3年にわたり、大河ドラマで放送することが決まり、この本を読み始めた。このごろ、韓国では日本の韓流に劣らず「イルド」(日本ドラマ)に人気が集まっている点もこの本の内容に関心を持たせた。
ところがこの本を1枚ずつめくりながら本当に複雑な感情に巻き込まれた。この本は、日本が明治維新以後、日清戦争と日露戦争を経て強大国に跳躍する過程を、時代的背景として描いている。作家は日本植民地時代の韓国侵略も避けられなかったことと正当化した。韓国人を情けなく劣等に描いたのはもちろんだ。近代化に立ち後れた韓国を、西洋文物で武装した日本の目から見れば、こう見えるのは当たり前なのかもしれない。
司馬は南下するロシアを牽制するために満洲と朝鮮を日本の影響力の下に残さなければならず、この外勢から日本を守る自己救済策だったという主張を繰り広げる。植民地化した日本が侵略をこのように合理化した司馬の歴史観は、そっくりそのまま日本の大衆的な歴史認識になったのはもちろんだ。この本は日本人がアイデンティティをしっかり自覚して侵略戦争で敗れたことに対する自己恥辱感をぬぐうことに大きな役割を果たした。しかし韓国はむちゃくちゃな国だと認識されて、嫌韓論の源流ともなった。日本人最高の愛読書が韓国のイメージと文化をけなす役を担ったのだ。
このように踏み付けられた韓国に対する日本の認識は、このごろ桑田碧海という言葉では不足であるくらい変わった。漢江の奇跡を成し遂げた国民の底力が原動力だが、決定的なきっかけはやはり韓流だった。韓流ブームは衰えず、今後は日本社会の文化の中に解けて入っていく段階だ。ヨン様は神の境地に上がっている。還暦を超えた年配の日本女性たちは、朝起きて仏壇に手を合わせた後、横にあるペ・ヨンジュンの写真に向かってまた両手を合わせ「おはようございます」と言いながら1日を始めるようになって、もう久しいという。いわゆる「ヨン様仏壇」だ。
初めは夫たちに嫌がられたが、最近は横にいて一緒に「おはよう」と言いながら、軽くあいさつをかわすようになり、夫婦関係もよくなったという話も広がっている。銀座のレストランで会ったおよそ50代の女性は「韓流ファンの妻をもつ夫たちは、妻にエンドルフィンがめぐっているので、だいたい夫婦関係が円満」とも伝えた。近所に住む60代の女性ワタナベさんは、日曜日の夜9時に放送される「イ・サン」は、迫力があって手に汗を握ってしまうが、続いて放送される「天地人」を見るときはうとうとして眠ってしまうと話した。
司馬がまだ生きていれば小説の内容を書き直さなければならないかもしれないほど、韓国の地位は変わった。しかし国会の暴力などが現地メディアを通じて鮮明に伝わる度に顔を上げづらくなる。国際社会でもっと公正にもてなしを受けるためには、このようなことを解決するのが課題だ。ヨン様仏壇にばかり韓国の国格アップを任せることではない。
東京=金東鎬(キム・ドンホ)特派員


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