◆１００万ウォン以下の３Ｄプリンター登場

「製造業の革命」と呼ばれる３Ｄプリンティングも今年は産業の全分野に広まる見込みだ。今では単純な印刷を越え、従来の産業と３Ｄプリンティングが融合する段階に達している。

３Ｄプリンティングとは、粉末の材料を設計図面に基づいて積み上げていく方法で製品を印刷する技術。レーザーや電子ビームなどで材料を溶かして固めながら、望みのデザインの製品を作り出す。人工臓器を３Ｄプリンターで製作して身体に移植するほか、コンクリート建築物を３Ｄプリンターで印刷する試みも世界のあちこちで行われている。昨年中国では２４時間でコンクリート建築物１０軒を３Ｄプリンターで建てた。製作費は建物１軒あたり５００万ウォン（約５５万円）ほどだった。特に３Ｄプリンターで作った建築物は廃棄物がほとんど出ない環境によく、工事期間が大きく短縮されるためコスト削減効果が大きい。高騰する住居価格による住宅難解決に３Ｄプリンティングが寄与すると期待される。６日に米ラスベガスで開幕する家電見本市コンシューマー・エレクトロニクス・ショー（ＣＥＳ）でも、３Ｄプリンティングは歴代最大規模の展示館で紹介される予定だ。

３Ｄプリンターは製造業の核心技術が集約された自動車産業にもすでに影響を及ぼしている。昨年９月に米シカゴで開かれた国際工作機械展示会（ＩＭＴＳ）で公開された電気自動車ストラティ（Ｓｔｒａｔｉ）が代表例だ。米自動車企業ローカルモーターズ（Ｌｏｃａｌ　Ｍｏｔｏｒｓ）は４４時間でストラティを３Ｄプリンターで印刷した。重さ４５０ポンド（約２００キロ）、最高時速６４キロのストラティは、バッテリーを充電すれば２４０キロ走行できる電気自動車だ。ところがこのストラティに入った部品数は普通の自動車（約２万個）の２％（約４０個）にすぎない。機械装置を除いた車体の大部分（ボディー・シャーシー・コンソール・フード・ダッシュボードなど）を３Ｄプリンターで一度に印刷したからだ。ローカルモーターズは今年上半期、ストラティを商用化する計画だと明らかにした。予想販売価格は１万８０００－３万ドル。ストラティのデザインはローカルモーターズが数年前から運営してきたオンラインコミュニティーで使用者が提案したアイデアを活用した「クラウドソーシング」方式で決定された。デザインから数多くの部品別金型製作にかかる費用が画期的に減った。部品が減った分、アフターサービス費用も減る効果がある。

今年からは世界的に各家庭に普及型３Ｄプリンターを置くことが流行のように広がると予想される。グローバル市場調査会社ガートナーは、１０万ドル未満の普及型３Ｄプリンター市場が今年は世界で１９万４６４２台と、昨年（９万６５台）に比べ倍以上増えると見込んでいる。現在、グローバル市場は米国企業３Ｄシステムズとストラタシスが各種特許で掌握しているが、国内でも約２０社が普及型製品を生産し、市場の拡大に取り組んでいる。

最近は１００万ウォン以下に価格が下がった。活用できる素材が多様化し、インターネットコミュニティーを通じて共有される製品別設計図面ファイルを活用すれば、３Ｄプリンターでスマートフォンケースから家具・自動車などまで、ほとんどすべての物を作って使用できる。誰もが１人工場長になれるということだ。


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