－－未来学者レイ・カーツワイル氏は２０２９年には人工知能が人間を越える「特異点（Ｓｉｎｇｕｌａｒｉｔｙ）」を迎えると述べた。人工知能はいつどこまで発展すると見ているのか。

「ＡＩ分野で５年以上の未来を予測するのは非常に難しいことだ。カーツワイル氏がそのように正確に予測できるという点が印象深い。私の予想ではＡＩは分野ごとにそれぞれ異なる時間に人間を越えるだろう。医療映像分析は５－１０年以内にも可能になるだろうが、劇作家や小説家を越えるには５０年かかるかもしれない」（カーツワイル氏もグーグルで人工知能研究責任者の１人として仕事をしている）

－－ＡＩに対する期待が大きいが、恐れも多い。ＡＩが人間の職場を奪うことにならないだろうか。

「ＡＩは生産性を画期的に増やす非常に強力な道具だ。これはすべての人に恩恵を与えることもでき、少数のエリートだけを豊かにすることもできる。ＡＩによる生産性向上の恩恵を少数が独占するのは公正でも賢明でもないと考える」

－－韓国も人工知能を研究しているが、まだ先進国レベルではない。

「韓国の一部の研究はすでに世界的レベルになっている。教育分野で十分な投資があれば、韓国は早期に先進国に追いつくだろう。特に（根源的）好奇心が基盤となった基礎研究に集中的な投資があればだ。短期的な成果のために学者に圧力を加えるより、何でも自由に研究できるようにすることがはるかに効果的な方法だ。ディープラーニングもそのように作られた」

◆ジェフリー・ヒントン（Ｇｅｏｆｆｒｅｙ　Ｈｉｎｔｏｎ）

１９４７年１２月６日　英ブリストル生まれ

１９７０年　英ケンブリッジ大学卒業（実験心理学専攻）

１９７８年　英エディンバラ大学大学院人工知能博士

１９８２年　米カーネギーメロン大学コンピューター科学科教授

１９８７年　カナダ・トロント大学コンピューター科学科教授

２００６年　ディープラーニング論文発表

２０１２年　世界最大画像認識大会ＩＬＳＶＲＣ優勝

２０１２年　マシンラ－ニング会社「ＤＮＮリサーチ」設立

２０１３年　グーグルにＤＮＮリサーチが買収され、グーグル碩学研究員として活動（トロント大教授職兼職）　（中央ＳＵＮＤＡＹ第４９０号）


基礎研究に集中投資すれば韓国も先進ＡＩに追いつく（１）

基礎研究に集中投資すれば韓国も先進ＡＩに追いつく（２）