【コラム】「私は知らない」共和国、大韓民国(2)

【コラム】「私は知らない」共和国、大韓民国(2)

2016年12月27日13時08分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  ところが青瓦台医務室長も主治医も注射剤処置を見たことがないという。それなら麻酔剤やプロポフォールは? 「私は知らない」だ。何かが大統領の体に注入されたが知っている人がいない。金大中(キム・デジュン)元大統領は睡眠内視鏡麻酔前に首相に非常権限を委任した逸話がある。金淇春(キム・ギチュン)元大統領秘書室長と金章洙(キム・ジャンス)前国家安保室長の答弁はさらに奇観だ。セウォル号7時間、大統領の所在を知らなかったと述べた。通話はしたが所在を尋ねず、行動要領を助言することもなかったといった。なぜか? 越権行為だからだ。300人余りの命より権限の境界が重要だったのだ。メディア検閲、税務査察、御用団体動員を行った淇春大院君は唯一「その日」だけは弱さを演出した。「権限外のことです」。国家安保室長もまったく同じだった。「海軍・特攻隊投入は権限外のことです」。最高律師の剛直章洙(将帥)は惨事の現場中継を見ること以外にすべきことがなかった。大統領は官邸に閉じこもり、青瓦台の陰の実力者は国民の惨事に「私は知らない」だった。「私は知らない共和国」の極端な無能と小人的行動はこうして明らかになった。

  青瓦台の陰の実力者はオウム軍団だった。禹柄宇(ウ・ビョンウ)前民情首席秘書官はうっすらと冷笑を浮かべ「私は知らない」とつぶやいた。監査機関で収集した高級情報を総括する民情首席秘書官が崔順実を知らず、文化体育観光部の専横を知らず、企業からの寄付金徴収を知らなかったとするなら、なぜその場にいるのか? 職務放棄や無能力者であることを自認するものだ。そうでなければ法律知識を動員して無能が有能より刑量が少ないことを狙った卑劣な演出だ。「私は知らない共和国」の破廉恥は梨花(イファ)女子大学不正入学を暴く席でも再演された。「本当に私は知らなかった」と抗弁する総長の涙は凄絶だった。

  「私は知らない病」にかからなかったただ1人は趙源東(チョウォンドン)元経済首席秘書官だった。彼は認めた。「青瓦台で上の方の指示には背けないです」。アドレナリンが過多分泌され攻撃に熱を上げる議員の中でその声を気にした人はだれもいなかった。この「私は知らない病」は問い詰めれば大統領の無思考に源を発する。国と国民のための愛国心! 自身の統治行為はどのようなスタイルでも正当だというその思いだ。父親の朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領から体得した君主的性格を金淇春は「チャーミングでエレガンスだ」と話し、禹柄宇は「真正性を信じ尊敬する」と述べた。そして「私は知らない」共和国の実力者の愛唱曲はこの歌だ。シム・スボンが歌った。「あなたが私のそばに立った瞬間/そのまなざしがとても良く/過ぎ去った歳月をすべて忘れてしまうように/~愛しか私は知らない」。彼らに国民とは何だろうか?

  宋虎根(ソン・ホグン)ソウル大学教授・社会学

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