【コラム】文在寅大統領の司会者本能
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.05.12 08:55
文在寅(ムン・ジェイン)大統領の破格的な歩みが話題だ。就任初日、野党を直接訪ね、任鍾晳(イム・ジョンソク)氏・曺国(チョ・グク)氏など青瓦台(チョンワデ、大統領府)の参謀陣を50代序盤の人物で構成し、誰と昼食を取るかの予定など詳細な日程を公開した。個人的に印象的だったのは、首相候補者などを紹介する瞬間だった。文大統領は10日、青瓦台春秋館で直接マイクの前に立った。李洛淵(イ・ナクヨン)・叙勲(ソ・フン)・任鍾晳などの名前を一人ずつ呼んだ後、「大不偏不党」「脱権威」などもっともらしい理由まで説明した。それから本人は後ろに退いた。行事に例えれば、典型的な司会者の役割だった。
大統領のこのような姿、馴染みが薄い。過去、青瓦台の人事発表はほぼ報道官の役割だった。メッセージを持ってきて「私は分からないが、このように決定されたんだって」という言い方で「死んだ」文字を読むのに忙しかった。本来、人物を選んだリーダーの悩みと気持ちはあまり感じられなかった。ましてや直接出て司会をするとは。「そのようなことは下の人がしてもいいのに上の人がなぜ…」という考えだっただろう。
青瓦台だけではない。日常の中でもオーナーや代表が舞台の前面に出る場合は珍しい。ただ、可愛い女性社員やハンサムな男性社員が「雇われマダム」のように司会を担当し、本当の「主人」は上席に座って格好をつけながら祝辞の一言を述べれば十分だ。典型的な「背後の実力者」の影だ。