<コラム>安倍氏が首相になれば…

<コラム>安倍氏が首相になれば…

2006年07月19日14時38分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  1957年6月16日、岸信介首相は就任後に初めて米国を訪ねた。米日安保条約を見直す、との約束を獲得するためだった。ワシントン入りした岸氏は、直ちにアイゼンハワー大統領とのゴルフに臨んだ。当時のラウンドメンバーが、現在のブッシュ大統領の祖父、ブッシュ上院議員だった。会ったばかりでたちまち意気投合したそれらは、ラウンドの後、一緒にシャワーを浴びたりもした。

  それ以降、岸氏は米国の支援のもと、自身の政治生命をかけた米日安保条約の改定を貫徹した。そして、ほぼ50年の歳月が過ぎた。今回の舞台の主人公は岸氏の外孫・安倍晋三官房長官だった。安倍氏は「北朝鮮のミサイル事態」の指揮棒を握った。「卒業」を控えている小泉純一郎首相の代わりに、事実上、首相官邸のオーナーの役割を果たした。

  そうした安倍氏が多少の文句修正はあったものの、自身が脚本を書いて演出した国連安保理決議案を貫徹できた力の源泉は、外祖父の友達であるブッシュ上院議員の孫、ブッシュ大統領だった。米日の強力なチームワークのおかげで、安倍氏は「日本外交最大の快挙を成し遂げた」との賛辞を聞いている。両家門の深い友情の勝利だ。

  自民党総裁、すなわち日本首相を選ぶ選挙が9月20日に行われる。各種の世論調査を見てみると、安倍氏は第2位との格差を広げている。それに決議案採択で得た点数を視野に入れれば、2カ月後の「安倍首相」の登場は難なく占える。決議案採択の過程で表れたように、安倍首相の登場した際の米日蜜月関係は十分想像できる。問題は激しく冷え込んだ状態の韓国・中国との関係だ。

  一部が懸念しているように韓国・中国とはさらに対立するかもしれない。韓国メディアが安倍氏への人物評を書く際に頻繁に使う文句がある。「岸氏の政治的遺伝子(DNA)を受け継いだ」とのことだ。政治的信念をめったに曲げなかった岸氏の強いイメージをそっくりそのまま受け継いだ、とのこと。しかし、岸氏のDNAは果たしてそれだけなのだろうか。

  原彬久・東京国際大学教授が岸氏とのおよそ20回にわたるインタビューに基づいて書いた『岸信介-権勢の政治家』を見てみると、岸氏の外交戦略は大変用意周到だったことが分かる。米国と良い関係を維持しつつ、一方では距離を置いた。就任した後の訪米を控えて、アジアを電撃歴訪し「アジア重視」を叫んだ。アジアを通じて米国への影響力行使を試みたのだ。そのうえ、安倍氏の祖父・安倍寛氏は東条英機に対抗し、戦争反対を叫んだ良心的政治家だった。

  父親の安倍晋太郎氏は外相時代、米国に劣らずアジア諸国との関係を重視した親韓派だ。安倍氏は、父親の外相時代に秘書官として20回の歴訪に随行した。そうした点から考えれば、安倍氏には「偏った外交」に陥らない血が流れているとも考えられる。そのせいか最近安倍長官は首相になる場合、靖国神社参拝を行わない方向に傾いているもようだ。

  安倍首相時代に備えて、韓国はどう取り組むべきか。同氏の「良いDNA」を刺激できる戦略的思考が必要なのではなかろうか。日本が明らかに間違っていることならば、厳しく指摘すべきだが、無理な言行は結局マイナスになる公算が大きい。ミサイルを打ち上げたのは北朝鮮なのに、突然日本に対し「てんやわんやの大騒ぎ」と責めこめば「安倍氏はわれわれの友達ではない」と定義付けるのも同然だ。

  そうした場合には、良いDNAも何もない。対決の局面へ進む、との話である。そうした渦中に日本と中国が戦略的に連携することもあり得る。最近、両国がそうした兆しを見せている。全ての分野で激しく戦っている今の世の中で、独りぼっちになるような状況だけは必ず避けなければならない。
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