【社説】国の負債が過去最大、韓国政府の放漫な財政運用
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.04.03 15:55
文在寅(ムン・ジェイン)政権に入って初めて予算を編成した昨年の韓国の負債額が、前年(2017年)比127兆ウォン(8.2%)増の1582兆ウォン(約155兆円)となった。過去最大だ。国の負債の増加分全体の4分の3にあたる94兆1000億ウォンが公務員・軍人年金充当負債(支給すべき年金額を現在の価値に換算)だ。特に公務員数が大きく増え、公務員に支給する年金充当負債が78兆6000億ウォン増えたのが大きかった。年金充当負債の増加幅も2013年の集計方式改編後の最大となった。政府の公務員増員が国家財政に負担となっているのだ。
こうした状況にもかかわらず、政府は問題の本質に背を向けて低金利のせいにしている。金利が下がったことで実質的な負担ではなく計算上の充当負債規模が大きくなっただけという主張だ。話にならない。今と似た水準の低金利基調だった過去と比較すると、どれほど苦しい弁解であるかはすぐに分かる。朴槿恵(パク・クネ)政権だった2015年に「形だけの改革」という批判を受けながらも通過させた公務員年金改革案のおかげで、その年の年金充当負債は16兆3000億ウォン増にとどまった。当時の算法で今後70年間に333兆ウォンを節減できる財政改革だった。
しかし文政権に入っていかなる改革もなく公務員増員に拍車を加え、こうした基調が完全に変わった。今年の3万人を含めて文政権の任期末の2022年までに計17万4000人を増員すれば、公務員年金改革で苦労して減らした公務員年金充当負債がむしろ雪だるま式に増えてしまう。増えた公務員の数ほど今すぐに支払うべき給与も天文学的な規模だが、退職後に受ける年金の充当負債規模が後に大きな問題になるということだ。特に公務員年金は国民年金とは違って不足すれば税金で埋めなければならないため、公務員の数が増えるほど今の青年世代とまだ生まれもしない世代がより大きな負担を抱えることになる。「退職公務員が一般国民から税金を、若い公務員から寄与金をブラックホールのように吸い込む構造」(納税者連盟)という批判が出る理由だ。