【社説】法王のメッセージ、この地で実践するには
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2014.08.18 16:55
フランシスコ法王の訪韓日程の中で最も大きな行事である施福ミサが16日、盛大に行われた。行事が進行された光化門(クァンファムン)一帯は数多くの人でぎっしりと埋まった。法王のスピーチに耳を傾けて祈るカトリック信者だけの集いではなかった。悲しみや痛みを癒されようとする、この、解消できないくやしさと苦痛を訴えようとする人も多かった。特にセウォル号惨事の遺族が法王に直接痛みを訴えたのは、正常な手続きではとうてい解決の見通しが立たないためではないかと思う。法王の祝福に感動しながらも、内部の葛藤や苦痛をなかなか解消できない韓国社会の自浄能力の不在を実感させた現場だった。
法王はスピーチで平和、和合、正義、人間の価値などを強調した。社会的弱者に対する配慮については非常に強い表現を使った。「莫大な富饒のそばで、非常にみじめな貧困がひそかに育ち、貧しい人々の泣き叫ぶ声がなかなか注目されない社会の中に住んでいる私たちの」という表現がそうだ。すでに前日のスピーチでは「新しい形態の貧困を作り出して労働者を疎外させる非人間的な経済モデルを拒否するように祈る」として「私たちの中にある貧困と窮乏した者たちと無力な者たちに深い関心を傾けなければならない」と促していた。