先週、米国を訪問した安倍晋三日本首相が従軍慰安婦問題はあいまいにしながら、拉北(北朝鮮に拉致されること)日本人問題にばかりエネルギーを費やす残念な姿を見せた。我をさておき他人の過ちにばかり目が行く偏った歴史認識と自己中心的な現実感覚に我々は失望を禁じ得ない。
安倍首相の訪米期間に下った日本の最高裁判所の判決が認めた通り、日本軍が慰安婦を強制動員したことは明白な歴史的事実だ。それでも安倍首相はブッシュ大統領や議会のリーダーたちとの会談で強制動員を認める言葉は一言もしていない。代わりに「申し訳ない思い」だとか「同情の念」のようなあきれた言葉で、指先の刺のような問題を繕ってすまそうと頭を使った。慰安婦動員の強制性否認に対する米国内の批判世論を覆いかぶせることで、下院に提出されている慰安婦決議案を阻止しようという意図を表したのだ。一方、日本人拉致問題に対しては自分が言う通り「鋼のような意志」を誇示した。