「韓国が隠れたチャンピオンを望むなら職人を厚遇すべき」(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.10.29 10:36
彼はCEOに、基本的な原則に対しては権威的だが、実行過程では担当者に権限を与える柔軟さを持つことを注文した。それでこそ少ない人材でも高い生産性を実現する高効率組織を実現できるということだ。サイモンは「ドイツの隠れたチャンピオンの離職率は2.7%で、米国の19.0%だけでなく、ドイツの平均7.3%よりはるかに低い。これは社員自身が創出した高付加価値に対し自負心を持っているため」と話した。彼は続けて「社員が自身のやることを理解し、それに価値があると信じる時に企業は高効率組織に変わって顧客も集まることになる」と付け加えた。ただし彼はCEOに核心能力を抜け出した多角化は避けるよう助言した。ややもするとさまざまな分野で同時に激しい競争を行わなければならない進退両難に陥るというのが理由だ。
サイモンは韓国に愛情のこもった苦言もした。彼は「80%に達する韓国の大学進学率はいくらひいき目に見ても過剰で、優秀な若い人材が大企業ばかり好むのも問題。ドイツでは中堅・中小企業の技術名匠が大卒者よりはるかに多くの報酬を受けている」と話した。彼は続けて、「韓国が隠れたチャンピオンを育てるにはこのように数十年間ひとつの分野に従事した職人がもっと尊敬される文化を作る必要がある」と付け加えた。サイモンはまた、「いまは問題がないように見えるが、特定企業への依存度が高い韓国はいくつかの大企業が倒れた場合には経済全体が危機を迎えるほかない構造。より成熟した市場経済を作るためには競争力がある中堅・中小企業を育成する努力が至急だ」と強調した。