【コラム】朴槿恵の後ろ姿(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.03.17 10:18
朴前大統領には癒やしの資産がある。彼女は2013年に中国を訪問した際、習近平主席の母校である清華大学で講演を行った。その場で韓国の大統領は大学側から貴重な贈り物を受け取った。中国清華大の大学院長を務め、書家としても有名な哲学者の馮友蘭が89歳だった1984年に書いた唐の詩人・王昌齢(798~756)の「芙蓉楼送辛漸」という詩の掛け軸だ。朴前大統領が馮友蘭の『中国哲学史』をメモまでしながら読みふけったことを知った馮友蘭の孫娘が大事に保管していた掛け軸を贈ったのだ。
詩の転句(第3句)と結句(第4句)が朴前大統領の疲れた心を癒やすに違いない。「落陽の友が私について尋ねたら(洛陽親友如相門)/玉壷の中の一欠片の氷のように清らかな心で生きていると伝えてほしい(一片氷心在玉壷)」。朴前大統領がこの掛け軸を青瓦台に置いてきたのか、それとも家に持って帰ってきたのかは知る術がない。だが、彼女が馮友蘭の『中国哲学史』をそれほどまでに熱読したのであれば、馮友蘭が書いた王昌齢の詩を忘れるはずがない。