文在寅（ムン・ジェイン）大統領との首脳会談のために２泊３日の日程で訪韓中のフィリピンのドゥテルテ大統領が、在韓フィリピン人が集まった行事で女性に本をプレゼントする代わりに唇にキスをし、フィリピンで非難が起きている。

４日の日刊フィリピンスターなど現地メディアによると、ドゥテルテ大統領は前日午後、ソウル市内のあるホテルで在韓フィリピン人の行事に出席した。この日、ドゥテルテ大統領は演説の最後に突然、「キスをすれば本１冊をプレゼントする」とし「男性は対象外」と話した。続いてドゥテルテ大統領は聴衆の中にいる女性に向かって「キスで礼をしなければいけない。キスをする準備はできているだろうか」と尋ねた。そしてこの女性が演壇に出てくると、腕をつかんで唇にキスをした後、本１冊をプレゼントした。

ドゥテルテ大統領がプレゼントしたこの本は「フィリピン・カトリック教会でのセックス、政治、金」というサブタイトルが付いた『秘密の祭壇』だった。ドゥテルテ大統領は最後に出席者に「みんなを楽しませようとしただけなので、深刻に受け止めないでほしい」と語った。しかしこうした場面が現地のテレビで中継されると、ＳＮＳではドゥテルテ大統領を非難する声が続いた。ある市民はツイッターに「ドゥテルテ大統領が韓国で現地フィリピン女性の唇にキスした」とし「この日見たものの中で最もぞっとした」とコメントした。

これまでもドゥテルテ大統領は女性侮蔑発言で何度か非難されている。ドゥテルテ大統領は１月の東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）首脳会議ビジネスフォーラムで演説し、イスラム過激派組織「イスラム国（ＩＳ）」は組織員を募集する時「殉教すれば天国で女性４２人で補償される」と言いながら勧誘すると指摘した。続いて「もしわが国に来ることを望む人々にもそれを誘惑として投じることがあるのなら、私は天国でなくここにその女性たちを準備しておきたい」と話した。

ドゥテルテ大統領は２０１６年の大統領選挙を１カ月後に控えた遊説でも、１９８９年に自身が市長として在職したフィリピン南部ダバオで発生した刑務所暴動事件に言及し、「収監者はすべての女性に対して性的暴行を加え、その中には豪州の宣教師もいた」と言及した。続いて「彼女の顔を見た時、私は悲しくなった。彼女は本当に美しく、私はまず市長にならなければいけないと思った」と述べ、国際社会の非難を受けた。