【コラム】家計負債の信管を除去する最後の機会=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.06.18 10:16
もうひとつの秘密は銀行の遡求権(償還請求権)だ。韓国の銀行は住宅担保ローンを受けた人が負債を返すことができなければ、担保にした住宅以外に他の財産と給料まで差し押さえられる権利を持つ。貸し倒れのリスクをほとんどないようにする安全装置だ。逆に金融消費者の立場では債権の無限取り立てにさらされるものだ。米国は遡求権を認めない。融資を受けた人に返済能力がなければ銀行に家の鍵を渡せばそれだけだ。債務超過になっても他の財産と所得はすべて守られ経済生活は正常にできる。銀行も不適切な貸付に対して共同責任を負えという趣旨の制度だ。
米国の住宅ローン制度は韓国が進むべき道を提示してくれる。家計負債爆弾の信管を除去するカギでもある。金融当局と銀行は新規住宅担保ローンを米国式の長期固定金利構造に転換する画期的な処方せんを用意しなければならない。合わせて既存のローンも乗り換えられるようにする安心転換貸付を拡大編成する必要がある。元金償還負担は初期には最大限低くし、徐々に高まるようにする構造も考えることができる。政府は家計負債問題の危険度を国民に率直に告白し理解を求めなければならない。遡求権も制限しなければならない。