【コラム】こじれる雇用市場にノーベル経済学賞が提示した解決策=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.10.24 13:03
契約理論は第4次産業革命で揺れ動く雇用市場に示唆するところが大きい。第4次産業革命は会社の境界と労働の境界を押し倒す。企業は革新のために内部社員にばかり業務を任せない。外部専門家に依頼し、その結果に代価を払うことが多くなる。社員が部外者に転落するケースが頻繁になるという話だ。ウーバーで見るように個人の物品や能力で事業者と労働者の身分を行き来することも頻繁になるだろう。こうした産業文化を支え、その中で公正性を確保するのもやはり契約だ。契約では投入(インプット)よりは結果(アウトプット)が重視される。働いた時間がどれだけになるかを突き詰めてその代価として賃金を受ける体系は崩れる。労働と資本の投入を突き詰める時代が徐々に暮れているという意味だ。代わりに結果を見る。革新性が高ければ代価は大きくなる。企業の成否と労働者の富は「投入するものが多いのか」より「結果がどうなのか」により創出される時代がわれわれの前に大股で近寄っている。毎年賃金が上がる号俸制の代わりに成果と創造、革新性を重視する賃金体系が浮上するのもそのためだ。
そうした面から集団的労使関係(IR、インダストリアルリレーションズ)の時代は事実上終わろうとしている。契約関係(CR、コンストラクチュアルリレーションズ)の時代が到来した。労使関係は力の論理が支配する。労組の強大な力と既得権、経営者の帝王的地位のようなものだ。これを武器として契約は壊れる。力が強い側が優位を占めれば能力に見合った契約や契約履行がなされない。