【コラム】こじれる雇用市場にノーベル経済学賞が提示した解決策=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.10.24 13:03
李明博(イ・ミョンバク)政権で初代労働部長官を務めた李永熙(イ・ヨンヒ)仁荷(インハ)大学名誉教授が先週死去した。2008年2月に労働部長官に就任し2009年9月まで在任した。彼の在任時期は大企業を中心にストが多かった。金融危機で政権初期の主導権争いの様相に変質してだ。2008年のストによる労働損失日数は80万9000日に達した。この記録は過去10年間で最高水準だ。翌年から労働損失日数は毎年20%ずつ下がった。故人の努力のおかげだ。
故人は「このまま行けば大企業と中小企業間の格差はさらに大きくなるだろう」と口癖のように話していた。彼は退任式の後、筆者と昼食をしながらこのように話した。「労働3権(団結権・団体交渉権・団体行動権)の前に『労働の権利』がある」。長官として働き大変だったことも「働く権利を無視し毀損することが多く常識が通じなかった点」と話した。そして「労働権であれ経営権であれ契約に基づく義務をしっかり履行するだけでも社会は健全になるだろう」と話した。彼は雇用政策の優先を雇用市場で契約文化を正すことに置かなければならないと考えた。しっかりと働き正当な代価を払えば問題ないということだ。ところが便法が乱舞し力の論理が勢いを伸ばし契約が歪んで無視される。既得権はいつでも彼らの欲を満たすために契約を修正する。これが社会不条理を生み蔓延させる。