【時視各角】メディア統制してブーメランに苦しむことになった朴槿恵(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.12.26 15:31
振り返ってみれば、朴大統領は過去4年間の最高の国政目標が崔順実隠しだった。秘線実勢(陰の実力者)の逆鱗に触れるようなメディアは片っ端から踏み潰していった。故金英漢(キム・ヨンハン)民情首席の備忘録にその秘密が1字も漏らさず記録されている。2014年上半期、「チョン・ユンフェの娘(訳註:チョン・ユラ氏のこと)、アジア競技大会選抜で特別優遇」を報じた時事ジャーナルには訴訟爆弾が落ちた。税務調査はもちろん、街頭販売ネットワークまで警察の捜査を受けた。その年の11月、「十常侍国政壟断」文書を報じた世界日報も焦土化した。編集局の家宅捜索をちらつかせ、統一教財団まで税務調査に入り“くつわ”をはめてしまった。だが、状況は10月24日以降、一転した。JTBCが国政壟断の「スモーキングガン」であるタブレットPCを報じ、渡ることのできない橋を渡ったのだ。
朴大統領に比べて米国トランプのメディアアプーチのやり方は次元が違う。トランプは先月22日、大統領選挙の過程で「敵」だったニューヨーク・タイムズの本社を訪ねて行って「ニューヨーク・タイムズは世界の宝石」と褒め称えた。その前日には主要放送局の会長や看板アンカーと非公開会合を行った。18日には主要報道機関の平記者たちを「オフ・ザ・レコード(off-the-record、記録を残さない)」を条件にフロリダ邸宅のカクテルパーティーに招いた。遠いようで近いのだ。
朴大統領はメディアを統制して致命的なブーメランに苦しむことになった。果たして次期政権は望ましい「政治-メディア」関係を期待することができるだろうか。今のところ大統領候補の先頭を走る文在寅(ムン・ジェイン)前「共に民主党」代表は先日、解職記者を見舞った後「総合編成の再認可基準と要件を厳格に審査しなければならない」と強調した。ひょっとしてまだメディアを政治的統制手段と考えているのではないかと不吉に思う。権力とメディアの基本は不可近不可遠だ。互いに丁重な距離を置くべきだ。そのような次元で韓国の将来は依然として黄色い。