数日前に米ロサンゼルス市役所で行なわれた「ミュージアム・オブ・トラレンス」(寛容の博物館。ユダヤ人の大量虐殺、人種差別などがテーマのミュージアム)の増築のための公聴会に出席した。増築工事をしなければならないが、騒音問題で住民が反対していており、公聴会が開かれたのだった。工事を支持する人の大半は、ナチスによる大量虐殺で生き残ったユダヤ人直系の子孫だった。
最初に支持の発言をした人は博物館側の女性で、2人目がラビ(ユダヤ教の聖職者)、3人目が筆者だった。筆者はユダヤ人の共同体で17年間にわたりユダヤ人の子ども教育について研究した。筆者がコメントを要請された理由は、ユダヤ人だけではなく多様な種族が博物館の増築を支持していることを示すためだった。
筆者は人格教育の専門家であり、人格教育に関するベストセラーの著者だと自己紹介した。続いて、子どもに対する人格教育の本質は「垂直文化」であり、これを形成する最も重要な要素は「親孝行」と「苦難の歴史」についての教育だと説明した。ユダヤ人が子どもの教育に成功する理由はこの2つの要素をきちんと教えているからだ、と話した。