辛東彬会長は父から離れた後、株式の確保はもちろん、組織員の心をつかむため、先月２６日に日本ロッテホールディングスの代表取締役に就任した後、初めて出張し、ホールディングスの全職員と面談した。「関ヶ原の戦い」のために底辺から固めるという戦略だった。辛東彬会長は先月２８日、前日の解任案を無効行為と規定した後、内外で友好勢力との結束に乗り出した。下手をすると企業の信頼が崩れ、今後の資金調達や投資に支障が生じる恐れがあるため、銀行や証券会社側とも活発に接触した。日本ロッテの関係者は「意思決定手続きや経営構造など経営体質を先進化し、透明化するという趣旨を伝えた」と明らかにした。

辛東彬会長は３日に帰国し、国民向けの謝罪声明を出し、本格的な戦闘準備、内部組織の結束に入る。ロッテグループ内で周囲の目を意識する雰囲気が表れているという内部報告も辛東彬会長の決戦を催促している。これ以上事態を傍観する場合、組織をまとめるのが難しいという判断からだ。

実際、辛英子（シン・ヨンジャ）理事長と辛東仁（シン・ドンイン）球団オーナー代行は先月１５日、ソウル小公洞のロッテホテル３４階にグループの元・現代表１０余人を呼び、長男・辛東主体制の構築に対する協力を要求したことが確認された。ロッテの関係者は「辛英子理事長と辛東仁代行が辛東主前副会長を主導的に支援しながらも、あたかも中立であるかのように、また今回の件と関係がないように話す理由を理解しがたい」と指摘した。


＜ロッテ経営権紛争＞決戦控えた辛東彬側の３人、李仁源・黄ガク圭・佃孝之（１）