中国だけでなく米国・欧州など世界のＩＴ業界でも李副会長の役割拡大に注目している。

実際に李副会長は先月８～１６日に米アイダホ州サンバレーで開かれたアレン＆カンパニーメディアカンファレンスに出席し、アップルのティム・クック最高経営責任者（ＣＥＯ）と会った。約３週間後の今月６日にアップルとサムスン電子は米国を除いた地域でスマートフォン関連特許訴訟を双方が取り下げることで合意した。うんざりするような消耗戦の様相を浮かべていた両社の特許攻防の方向を定めるのに李副会長が最終的な役割をしたという分析が出ている。

また、李副会長は米国内のサムスン電子拠点と研究開発（Ｒ＆Ｄ）センターなども直接指揮していることがわかった。サムスン電子は来年上半期に３億ドルを投じたカリフォルニア研究開発（Ｒ＆Ｄ）センターの完工を控えている。

李副会長がグループの舵を取りサムスンと関連した社会的問題に前向きな姿勢に転じた点も注目に値する。特に６月にはサムスン電子サービス協力会社労使の団体協約交渉を妥結させ、半導体事業場での職業病問題でも労働者側組織と交渉を進めている。

一方、李会長の健康は人工呼吸器に依存する代わりに自力呼吸ができるほどまで徐々に好転している。サムスングループのイ・ジュン未来戦略室コミュニケーションチーム長は、「李会長の健康はさまざまな側面から改善している。サムスン病院の医療スタッフは今後も持続的に回復すると期待している」と説明した。




サムスンのリーダーシップ空白への懸念…副会長が前面に登場（１）