【コラム】2015年の文在寅代表と2019年の文在寅大統領(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.05.30 13:08
4年前の2015年3月17日のことだ。朴槿恵(パク・クネ)大統領と文在寅(ムン・ジェイン)新政治民主連合代表が青瓦台(チョンワデ、大統領府)で向き合って座った。第18代大統領選挙で勝者と敗者に分かれてから2年後、初めての党首会談だった。朴大統領が「経済が活性化するように与野党が助けてほしい」と述べたが、文代表はあらかじめ準備してきた原稿を取り出して読み始めた。覚悟を決めた発言だった。「我々の経済は非常に深刻だ。国民の生活は本当に厳しい。政府の経済政策は国民の生活を解決するのに失敗した」と直撃弾を飛ばした。続いて「大統領が約束した経済民主化と福祉公約は破棄され、むしろ財閥と輸出大企業中心の古い成長政策が続いた。その結果、中産層が崩れ、二極化が深刻になった」と述べた。さらに「総体的な危機だ。これでは経済を活性化できない」と激しく批判した。経済ライン全体の交代を要求した。朴大統領も当初は文代表の顔を眺めながら聞いていたが、「失敗」「破棄」という表現が出てくると頭を下げてメモを始めた。この日に公開された写真のタイトルも「発言する文在寅、メモする朴槿恵」だった。
今でも文大統領が4年前のように激しく批判できるかは疑問だ。双方の経済状況を比較するとゲームにならない。朴槿恵政権での経済成長率は2.3%→2.9%(2013年)→3.3%(2014年)に上昇した。党首会談直前の2014年の新規就業者はなんと53万3000人も増え、12年ぶりの最多となった。これに比べると文大統領の執権以降、経済成長率は3.1%(2017年)→2.7%(2018年)→2.5%(今年の韓国銀行の予測値)と下降している。雇用予算54兆ウォン(約5兆円)をばらまいたが、昨年の新規就業者は9万7000人にとどまった。みすぼらしい実績だ。なぜ4年前に朴大統領を批判したのか理解できないほど恥ずかしい成績表だ。「あなたはなぜ兄弟の目の中のちりに目をつけるが、自分の目の中の梁には気がつかないのか」という聖書の言葉を思い出す。