それだけではない。ＢＭＷのカーシェアリングサービス「ＤｒｉｖｅＮｏｗ」もバンクーバーの一部のホテルで試験運行されている。ＤｒｉｖｅＮｏｗはスマートフォンのアプリケーションを利用し、ＢＭＷの小型車「ミニ」、電気自動車「ｉ３」を利用できる。料金は分単位で決められ、保険料や税金などがすべて含まれている。ドイツ・米国・豪州などでＢＭＷの車両２４００台が共有サービスに使われている。また、フォルクスワーゲンも「Ｑｕｉｃａｒ」という車両共有サービスを施行している。フランス自動車企業プジョーシトロエングループ（ＰＳＡ）もフランスでカーシェアリングサービス「ミュー・ バイ・プジョー」を運営している。

自動車メーカーがこのように共有経済に一歩ずつ足を踏み出すのは、消費者トレンドが「車両所有（ｏｗｎｅｒｓｈｉｐ）」から「効用（ｕｔｉｌｉｔｙ）」に変化しているためだ。こうしたトレンドの変化にＴＥＤも無関係ではない。「協力的消費を積極的に拡大すべき」というレイチェル・ボッツマン氏の２０１０年の講演は、現在ＴＥＤホームページで約９４万人が視聴したほど人気がある。

世界５位の自動車企業の現代車はまだカーシェアリングサービスに関連する事業群を保有していない。ある輸入車業界の関係者は「ロンドンの場合、車両共有人口が現在の１７万人から２０２０年までに８０万人に増えるだろう」とし「現代車が国内という枠から抜け出し、カーシェアリングブランド発売などを通じて、もう少し洗練された戦略でグローバルマーケティングをしていく必要がある」と述べた。


＜ＴＥＤ２０１５＞「自動車の未来」総集結　トヨタはｉ－Ｒｏａｄ公開（１）