【社説】朴大統領、絶対に急いではならない
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.05.30 14:25
指導者や政権は、危機の時に真の姿があらわれる。朴槿恵(パク・クネ)大統領の長所は、危機に強いということだ。1979年10月、当時の朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が殺害された時に令夫人の役割を果たした彼女は落ち着いて休戦ラインの状況を取りまとめた。2004年ハンナラ党が崖っぷちに立った総選挙の時も、2005年カッターナイフのテロにあっても、2008年自身の勢力が「公薦虐殺」にあっても動揺しなかった。こうした底力は就任後も続いた。北朝鮮が開城(ケソン)工業団地を閉鎖した時、大統領は断固たる対処で北を屈服させた。
そんな朴大統領が、セウォル号事件では揺らいでいる。追われて、急いでいる。代表的なのが政府組織の改編だ。これは政府の枠組みを変えることなので、国政と公務員社会に及ぼす影響が非常に大きい。議論が多い立法事案なので改編時ごとに国家の多くのエネルギーを消耗したりもする。昨年初めに政権がスタートした時、韓国社会はこれをありありと経験した。政府改編は十分な時間をかけて正確な意見の取りまとめと分析を経なければならない。先進国は専門的な委員会を構成したり、議会による長い時間の協議を経たりする。
セウォル号惨事から1カ月余りが過ぎた19日、朴大統領は談話を発表したが、組織改編が主な内容だった。大統領は主な方向だけを明らかにして、具体的な内容は専門的な研究に任せなければならなかった。ところが変わったり新設されたりする個別組織を断定してしまった。混乱と葛藤はこの時に予想された。