【コラム】中小企業に通えば「かっこ悪い」国=韓国

【コラム】中小企業に通えば「かっこ悪い」国=韓国

2017年12月27日11時47分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  知人が外資系投資銀行から最近数百億ウォンの投資を誘致した中小企業の役員になった。広く知られた企業ではない。彼は入社後数カ月間、この投資金を注ぐ新事業を構想する代わりに大学を回るのに忙しかった。就職説明会のためだ。

  「われわれの会社に投資した投資銀行と共同で小規模就職説明会をしたが、そのようにできてどれだけ幸いか。投資銀行関係者が『この中小企業に投資した理由は将来性があるから』と言えばそれなりに就活生も耳を傾ける」。

  この中小企業は極めて例外的なケースだ。多くの中小企業には就職説明会をする機会もなく、会社のビジョンを保証する投資銀行もなく、説明会をしても就活生が志望しない。

  何年か前に取材したある中小企業の社長は当時、「必ず社名を紙面に出してほしい」と拝み倒した。しっかりとしたこの会社は高級タイルを世界市場に輸出していたが、会社の成長性とは関係なく人材を採用できず会社を知らせたいということだった。「われわれのように伸び盛りの会社であるほど人材がさらに必要だが、絶対に採用したいほどの人は1年に2人も志望しない」。社長の哀訴だった。

  中小企業に就職しないことをめぐって就活生に文句ばかりも言えない。大企業や公共機関を狙う彼らに「なぜ将来性のある中小企業に挑戦しないのか」と問えば、「中小企業に通えば恋愛するのも難しく、結婚するのも大変だ。かっこ悪い」という答が返ってくる。

  韓国政府がこのほど発表した観光総合対策のひとつである「労働者休暇支援制度」も中小企業社員にはそれほどうれしい話ではない。来年から休暇費用を労働者50%、企業25%、政府25%の割合で韓国政府が最大10万ウォン支援する。中小企業労働者には「ないものねだり」になる公算が大きく見える。企業と労働者が資金を出せば政府がマッチングファンド形式で出すという点から、資金事情の良い大企業を中心に進められる可能性が大きい。

  そうでなくとも中小企業中央会など中小企業経営者を中心に「労働時間短縮が施行されても零細企業には8時間の特別延長労働を許容してほしい」という主張が提起されているところだ。休暇は短く、休暇の費用も少なく、働く時間は長いならいったいだれが中小企業に来て働こうとするだろうか。現政権が強調する「ワーク&ライフバランス」は中小企業労働者には外国の話のように聞こえるだろう。

  韓国政府は「所得主導成長」が定着すれば中小企業の事情が良くなり雇用のミスマッチも自然に減るだろうと信じているようだ。純真な考えだ。見通しがあり、ビジョンがある所にも人材が来ない現状は中小企業と韓国経済の首を締めている。中小企業経営者だけでなく中小企業社員の士気を上げられる繊細な対策が必要なタイミングだ。

  チェ・ジヨン/ライティングエディター

  
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