「10日間下痢」申告したMERS感染者…検疫官は措置なく通過させる=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.09.10 08:07
韓国で中東呼吸器症候群(MERS)の確診を受けたAさん(61)が空港検疫所で帰国前にMERSの主な症状である下痢が続いていたという事実を明らかにしたが、検疫所はAさんを何の措置もなく通過させていたことが明らかになった。海外から流入する感染病を防ぐ最初の壁である空港防疫に穴が開いた。
9日、韓国疾病管理本部によると、Aさんは先月16日に出張先のクウェートに向けて出発し、ドバイを経由して今月7日午後に帰国した。この日午後4時51分、仁川(インチョン)国際空港に降り立ったAさんは、着陸直後、「からだの状態が良くない」と言って車椅子を要請し、入国ゲートから空港を離れるまで車椅子で移動した。Aさんは空港の検疫所に「健康状態質問書」を提出した。中東地域旅行客が帰国した時には、疾病が疑われる症状などを記録した質問書の提出が義務付けられている。疾病管理本部のガイドラインには、MERSの主な症状を、発熱、せき、呼吸器症状、のどの痛み、嘔吐・下痢などと規定している。ガイドライン通りなら、検疫所はAさんに対して、現地医療機関を訪問したかどうか、MERS疑い患者・確定患者との接触があったかどうか、ラクダとの接触履歴などを質問するべきだった。1項目でも該当すれば疑い患者に分類し、直ちに国家指定の隔離病床に入院させて隔離措置を取らなくてはならない。
Aさんは先月28日、クウェート現地の病院で下痢の診療を受けた。病院はMERSの主な感染場所だ。韓国でも2015年、患者186人のうち178人(96.2%)が院内感染だった。その上、当時Aさんは飛行機から降りた後、車椅子で移動しなければならないほど衰弱した状態だった。