【コラム】金正恩-トランプ首脳会談の珍風景(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.05.20 11:42
無知ならば勇敢だ。勇敢なので常識から外れた話をよくする。11月の米国大統領選挙の共和党大統領選候補ドナルド・トランプ氏がそういう人だ。彼は、大統領になったらメキシコとの国境に障壁をつくりムスリムの入国を禁止すると話して大きな騒ぎになった。人種差別・宗教差別的な発言は米国の政治家たちにとってはタブーだ。しかしトランプ氏はそんなタブーなど関係ない言動で、移民者・少数民族に仕事を奪われたと思っている白人庶民層の熱烈な支持を受けている。ジョークだとばかり思っていた彼の大統領選挙への出馬が、いつのまにか候補確定に達して本戦でも民主党のヒラリー・クリントン氏を追いやり大統領になる勢いだ。がまんできない白人の「怒り」をあおる彼の暴言とノイズ・マーケティングが米国の政治地図を変えている。
対外政策に関する彼の発言は、韓米同盟をはじめとする米国の対外関与政策の枠組みそのものを変える側に焦点が合わされた。彼は、同盟国が米軍の駐留費用を全額負担しなければ米軍撤退も辞さないと脅かしている。韓国と日本が望むならば核武装にも同意すると話す。情けないほどの外交の門外漢であるトランプ氏は、米国が世界的に追求している価値、米国の国家利益がどこにあるのかも分からず米国の犠牲の上に韓国と日本と中国が大金を稼いでいると言っては貧しい有権者たちを扇動する。彼の当選を排除できない状況になってしまった今、韓国とほかの米国の同盟国は「まさか」そうなるものかと平気なふりをしながらも、胸の中ではおびえている。