マイナス金利が通貨価値を下がるのにも特別な効果はない見通しだ。ブルームバーグがマイナス金利政策を採択した５カ国の経済アナリスト６３人を相手に最近アンケート調査した結果によると、経済規模が大きいほど通貨価値下落効果は期待しにくいものと調査された。回答者の２７％程度（基準５０％）だけが円が落ちるだろうという側だった。実際に円の価値は日本銀行のマイナス金利政策以降に６％ほど上がった。ちょうどグローバル市場が不安で資金避難現象が起きたためだ。

ユーロ圏とスウェーデンの通貨価値がマイナス金利政策のために下がる予想する専門家も４０％程度だった。期待したほどユーロが下がり輸出を促進するのは難しいという予想だ。これに対し経済規模が小さいデンマークとスイスでは一部効果があると予想した。マイナス金利導入でデンマークとスイスの通貨価値はそれぞれ９０％と７０％下がると予想した。

実体経済浮揚には効果があるだろうか。イェール大学のスティーブ・ローチ教授は最近のコラムで「マイナス金利は資金の供給を刺激する政策だが家計や企業の負債がすでに飽和状態ならマイナス金利政策を実施しても貸し付けは増えない」とした。専門家らが話す貸借対照表不況だ。ローチ教授は「日本など多くの国で負債がすでに限界に達した。こうした時は資金需要ではなく供給の側面を刺激すると貸し付けが増え、投資と消費は増加しない」とした。

それでも日本などがマイナス金利をさらに強化すると予測された。ブルームバーグのアンケート調査によると日本は現在のマイナス０．１％からマイナス０．３％に、ユーロ圏はマイナス０．３％からマイナス０．５％に、スイスはマイナス０．７５％からマイナス１．０％にさらに低くするだろうという見通しだ。スウェーデンだけが現在のマイナス０．５％を維持すると考える専門家が多かった。


ＢＩＳ「マイナス金利、景気浮揚に大きな効果ない」（１）