【コラム】憂鬱な象が押し寄せる=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.09.22 09:46
グローバリゼーションが繁栄と成長をもたらすというかつての信頼は象の前で一瞬にして色褪せた。揺れる神話はこれだけにとどまらない。英国経済週刊誌エコノミストは最新号で大企業問題を批判的に深く扱った。グーグル・アップル・フェイスブックのようなグローバル情報技術(IT)企業に代表される巨大企業だけがうまく行く世の中になったという内容だ。多国籍大企業がプラットホームを支配して規模を拡大し続けており、自由な市場競争の産物である彼らがむしろ競争を阻害しているという批判だ。大企業は安定したプラットホームの上で特権を享受し、ひたすら市場敗北者だけが「競争」という世の中、『ギャグコンサート』の過去の流行語を借りるなら「1等だけ記憶する汚い世の中」になったという意味にも取れた。
このような記事を見て、ある人は合理的保守に分類される同誌の「変心」を指摘するかもしれない。同誌は2012年「Small is not beautiful(小さいことは美しくない)」とするタイトルで、規制に安住する欧州の中小企業を批判して「規模の経済」でより安くより質の良い製品を生産する大企業の長所を説明する記事を掲載していた。当時は「重要なのは企業の大きさではなく成長」と主張した同誌が今では「企業の大きさも重要だ」と言って異なる結論を下す。そのうち初期資本主義時代に登場した「悪徳大企業(robber baron)」の話まで再び登場するのではないかと心配になる。