【コラム】花道の消えた対北朝鮮アプローチ…金正恩の考えを読めよ=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.07.05 17:41
だが、現実は容易でない。何より執権6年目に入った金正恩政権は金正日(キム・ジョンイル)時代と明らかに異なる。33歳の若い指導者は大韓民国と国民に向かって「南朝鮮はやっつけよ」と豪語する。韓米同盟を狙って「米帝国主義とその子分」と揶揄する。猛烈な対南非難の対象を「南朝鮮執権勢力」や「軍部好戦狂」に限定していた先代の首領時代の慎重さは消えた。あらゆることを一つにひっくるめて打倒の対象とする韓国に対する敵がい心と劣敗感が爆発寸前だ。このような統制不能の金正恩委員長に韓国筋が「南朝鮮との対話」を言い出すのは簡単ではない。
対話に対する平壌当局の需要も見当たらない。核問題は韓国と扱う問題でないという立場が固いうえに、離散家族対面や交流・協力のような古いレパートリーは興味をそそらないようだ。対北朝鮮支援は金正恩時代のタブーになっている。昨年8月末に発生した咸鏡道(ハムギョンド)北部地域の大洪水にもかかわらず、金正恩委員長は5回目の核実験(9月9日)のボタンを押した。北朝鮮への救護準備をしていた韓国の人道支援団体は唖然とした。突撃隊を投じて水害復旧と新住宅の建設を終えた北朝鮮は「自力更正によって禍を転じて福となした」と主張した。中国で会った労働党幹部は「粉ミルクや栄養剤のようなもので我々を助けようとする考えならやめた方がいい」と豪語した。