【グローバルアイ】中国発偽ニュースが韓国で横行する理由
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.10.10 14:19
最近、韓国で最も有名になった中国人はファン・ビンビン(范氷氷)だろう。美貌のトップ女優が約100日間行方不明になっていたというのはニュースになるようなことだが、テレビのメインニュースを含めて連日主要記事として扱ったのは韓国が唯一だった。その中にはファンが脱税疑惑で隔離調査を受けているという「ファクト(事実)」もあったが、大衆は地味な真実よりは権力者との不倫関係と結びつけた拉致・監禁・死亡説をさらに信奉した。刺激的なことに好奇心をもつ心理に「中国は当然そのような国」という漠然とした推定まで重なった結果だ。中国当局の捜査結果の発表を伝えたある韓国記事の見出しは「ファン・ビンビン、生きていた」だった。実際、ほとんどの中国人は信じていなかった「チラシ(証券街情報誌)」ニュースが韓国では事実のように流布したわけだ。
毛沢東の孫である毛新宇も今年、韓国で死んで生き返ったケースだ。4月、北朝鮮に旅に出て交通事故で犠牲になった中国人32人の中で毛新宇が含まれているが中国当局が隠しているという噂が韓国のメディアに乗って流布した。もし事実ならば6・25韓国戦争(朝鮮戦争)の時戦死した毛沢東の息子である毛岸英に続き、毛の孫まで全員北朝鮮の土地に葬られたということになる。筆者は噂を頼りに調べたところ、毛新宇の大学同窓を探し、彼の秘書と連絡してその噂が偽りであることを確認した。だが「ファクト」を伝えた記事はポータルサイトのニュース配置で毛一家の不幸な運命を事実かのように伝えた偽ニュースの波に流されてしまった。