【コラム】花道の消えた対北朝鮮アプローチ…金正恩の考えを読めよ=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.07.05 17:40
扉は堅く閉じられている。ずっと叩いても開かれない。文在寅(元青瓦ムン・ジェイン)政府の対北朝鮮アプローチに北朝鮮は守城に固執した。昨日は大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験発射で後戻りできない川を渡った。9年ぶりの韓国権力交代を歓迎するだろうという予想は外れた。快く手を握られない金正恩(キム・ジョンウン)委員長の本音は何だろうか。新政府が重大な対北朝鮮錯視に陥っているのはでないか。複雑な南北関係の関数を考えてみたい。
発足して50日間、新政府が打ち出した対北朝鮮提案はかなり攻勢的だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は就任の辞(5月10日)で「条件が作られれば、平壌(ピョンヤン)にも行く」として南北首脳会談のカードを見せた。「1級会談技術者」と呼ばれる徐薫(ソ・フン)国家情報院長も「首脳会談は必要だ」として力を加えた。堅く閉じられた開城(ケソン)工業団地に再び機械音を鳴らせるという方針が登場し、金剛山(クムガンサン)観光もうごめいている。動き始めた人道支援団体の対北朝鮮接触は次々と承認された。来年2月、平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)に北朝鮮の選手が参加する問題とともに共同開催まで取り上げられている。趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官は一昨日、就任の辞で離散家族対面の緊急性を強調し、「8・15光復節ではなくても直ちに実現すれば一番良い」として速度を出す意志を示した。対北朝鮮提案の「総合ギフトセット」と言っても過言ではない。行き詰まっていた南北交流・協力に堰が切れようとしている。
ところで、本来平壌の反応は薄い。対北朝鮮支援のために準備していた団体は拒まれ、初南北首脳会談の「歴史的」意味を再確認しようとしていた6・15宣言17周年「共同行事」も中途半端になって各自行うことにした。文大統領が意欲を見せた冬季五輪の南北単一チーム構成は最初から壁にぶつかった。先月末、茂朱(ムジュ)世界テコンドー選手権大会に参加した北朝鮮の張雄(チャン・ウン)国際オリンピック委員会(IOC)委員はインタビューで「単一チームをするという言葉自体が今は滑稽だ」と一蹴した。「南北関係を体育で解決するというのは、幼稚極まりなく期待が行き過ぎた」という彼の発言には食い込む隙間がない。