仏トッド博士「中国、民族主義で内部葛藤の解消試みれば危険」(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2014.01.22 18:08
--中国と日本は、より攻勢的な国家になっているようだ。
「中国政府は民族主義によって社会内部の葛藤を解消しようとしている。非常に危険なことだ。中国社会の心的状態は、典型的な過渡期に発生する特性を帯びている。欧州の歴史でそういう過渡期は20世紀初めにあった。文字習得率の増加、伝統宗教への信頼が消えた中で、若い世代は空虚感を覚えた。空白を埋めたのは民族主義であり、欧州は戦乱に包まれた。次第に欧州は教育水準が高度化する中で神を信じないことについてなじむようになった。欧州は民族主義の段階も抜け出した。脱民族主義(post-nationalism)時代にも問題はあるが、欧州は少なくとも平和を達成した。日本は現在の欧州と非常に似ている。欧州と同じように日本も好戦的な民族主義の時代があったが、今日の日本は真の意味で民族主義的だとは見難い。欧州と日本は似たような歴史的経路を経て、脱民族主義の段階に到達した。一方、中国は1900年前後の欧州と非常に似ているとみられる。文字習得率が高いが、高等教育の発展はまだ初期だ。宗教的信念の問題と関連して言ってみれば、共産主義は宗教だ。中国人は共産主義という宗教を喪失した。20世紀初めの欧州と同じように、中国人は心理的な空白感を持っている」