北朝鮮が大陸間弾道ミサイル（ＩＣＢＭ）「火星１４」試験発射の成功を発表した４日、米国政府は慌ただしく動いた。独立記念日で休日だったが、外交、国防、情報関連機関の責任者を集めて緊急対策会議を開くことにしたと、米ＣＮＮ放送が報じた。

ティラーソン国務長官はこの日午前９時（日本時間４日午後１０時）、康京和（カン・ギョンファ）外交長官と電話で北朝鮮のミサイル挑発について議論した。外交消息筋は「この日の電話は韓国側の要請によるものだったが、北のＩＣＢＭ技術の進展と今後の対応について深く意見を交わした」と伝えた。

この日の電話で双方はまず、北朝鮮がＩＣＢＭ試験発射だったと主張する根拠に関する情報を共有した。発射直後はＩＣＢＭ級ではないとの１次判断があったが、北朝鮮のＩＣＢＭ試験発射発表が続く中で米国側が具体的な資料の分析に入り、北朝鮮の主張に根拠がないわけではないという対話をしたという。関係者は「米国側の最終精密分析の結果までは１週間ほどかかりそうだ」と話した。また消息筋は「両国外交長官が国連での制裁議論とともに中国側にどのような圧力を加えるかについても意見を交わした」とし「予想外の強力な圧力と制裁が加えられる可能性がある」と伝えた。

米外交当局の関係者も「先週の韓米首脳会談の結果は対話と圧力のうち対話に重きを置いたと解釈されているが、北のミサイル発射で状況は変わった」とし「ＩＣＢＭ試験発射で『レッドライン』を越えたと判断した米政権がまた制裁側に傍点を打つレベルでなく、今までとは全く違う次元の対北政策側に接近する可能性が高まった」と話した。

トランプ米大統領は北朝鮮のＩＣＢＭ試験発射直後、ツイッターで金正恩（キム・ジョンウン）労働党委員長を「この男（Ｔｈｉｓ　ｇｕｙ）」とし、「この男は人生でやるべきもっとましなことはないのか」と批判した。続いて「韓国と日本がこのような状況にはるかに長く耐えなければいけないというのが信じられない」とし「おそらく中国は北朝鮮に対して強力な行動に出るはずであり、このようなとんでもないことは完全に終わらせなければいけない」と中国に圧力を加えた。これに先立ちトランプ大統領は２日夜（現地時間）、中国の習近平国家主席との電話で「米国は北朝鮮に対する圧力のために独自の行動をする準備ができている」と警告したことが伝えられた。

ニューヨークタイムズは米高官の言葉を引用してこのように報道し、トランプ大統領の警告は中国に対する挫折から始まったと説明した。中国が根本的に対北朝鮮接近方式を変えるという幻想をトランプ大統領が捨て、特に習主席が推進してきた外交的解決策は米国人大学生オットー・ワームビア氏の死亡後は考慮していないという。トランプ大統領は韓米首脳会談直後に開いた共同会見でも「（北朝鮮に対する）戦略的忍耐の時代は失敗し、忍耐も終わった」と宣言している。

米メディアは一斉に北朝鮮のＩＣＢＭ試験発射をインターネット版のトップニュースで報じた。ＦＯＸニュースは「ゲームチェンジングテスト？（北核開発局面を変えた試験発射）」と題した記事で「米国の独立記念日の前夜とＧ２０（２０カ国・地域）首脳会議を控えてミサイルを発射したのは、米国と主要アジア同盟の韓国と日本に政治的な警告を送るという意図」と分析した。朝日新聞は、米国が核・ミサイル開発に関与している北朝鮮企業と取引する１０余りの中国企業に対して金融制裁を検討中だと、米政府当局者を引用して報じた。