現代（ヒョンデ）自動車は１０月、海外輸出が２１万７２２３台と、過去最高を記録した。 しかし同月の米国販売は２万８２０台と前年同月比３１．１％減となった。 シェアも大幅に落ちた。 前年の平均に比べ０．４％少ない２．５％に終わった。 起亜（キア）車の販売は３９％減少し、大衆車ブランドの中では下落率が２番目に大きかった。

輸出が増えたにもかかわらず、なぜ米国での販売は減っているのか。 理由は集計の基準が異なるからだ。

輸出実績は国内工場で生産した車の船積みを基準にしている。 これは現代車の海外販売法人が注文した車だ。 現代車は先月、国内工場の輸出分が１１万８８９０台と、０４年１２月の最多実績（１１万５５４４台）を更新した。 半面、米国での販売は、消費者がディーラーから新車を購入して登録するのを基準としている。

現代車の関係者は「輸出実績は現代車本社と海外法人の取引実績。 船積みされた車がディーラーを通して販売されるまでは通常２－３カ月の時差が生じる」と説明した。 １０月の米国販売不振は、今年７－８月の国内工場の生産減少で船積みが円滑に進まなかったために生じたのだ。 輸出が大きく増えたのは「年末の自動車需要期を控え、生産が円滑になった小型車を集中的に船積みしたため」という説明だ。

ここには、最近の金融危機の余波で株価が大きく下落し、第３四半期に最低の営業利益（１０４５億ウォン）を記録するなど、不振をばん回するという現代車の攻撃的な戦略も加わっている。 １０月の過去最大輸出記録で雰囲気を転換するという狙いだ。

現代車は残り２カ月間、米国市場で「ベルナ」「アバンテ」など小型車を集中的に販売する計画だ。

最悪の状況に陥った米国自動車企業は先月、３万ドルのＳＵＶ（スポーツタイプ多目的車）を購入した人に１万５０００ドルの小型車を贈呈する販促を始めた。 在庫を抱えるよりも割引販売で現金を確保するという戦略だ。 また日本・ヨーロッパなど海外企業も２０％割引は基本で、各種割引クーポンを付けて通常３０％引きで販売している。

現代車の場合、米国販売は振るわなかったが、中国では比較的好調だった。 中国現地法人の北京現代車は今年１－１０月、２４万３３３８台を販売し、昨年１年間の販売台数（２３万１１３７台）を超えた。