日本のプロ野球巨人の李承燁（イ・スンヨプ、３３）が背水の陣を敷いた。

宮崎でキャンプ中の李承燁は３日、「日本で勝負をかける。ここで野球をやめるという覚悟だ」と述べた。李承燁が引退に触れるのはこれが初めてだ。それだけ追いつめられいる。李承燁は、「いまは声をかける日本の記者もほとんどいない。ファンの応援も大幅に減った。成績が良いときは面倒に感じていた関心も落ち込んだ。“これがプロなんだな”と改めて思った」と照れ笑いした。

昨年の李承燁は左親指の痛みから３カ月以上２軍で過ごした。１軍４５試合で打率は２割４分８厘、８本塁打にとどまった。巨人のユニホームを着た２００６年から昨年まで３年連続で開幕戦４番打者だった李承燁だが、今年はレギュラーを明言するのも難しい境遇だ。日本のメディアは「高卒ルーキーの大田泰示（１８）が三塁手になれば小笠原道大（３６）が一塁手に移動する」と予想している。結果的に李承燁が高卒ルーキーに追われかねないという話だ。

李承燁は、「ライバルは常にいた。いまは親指も痛くないため勝ち抜く自信がある。プロ１４年目を迎えた私が高卒ルーキーと‘競争する’という表現を使いたくない」と強い口調で話す。

冷ややかなファンの反応、そしてチーム内での狭まる立地が李承燁を変えた。こうした危機の中で引退の話まで出てきた。

李承燁は２００３年に日本に進出した後も大リーグへの挑戦の可能性を示唆し続けてきた。不振に陥れば常に韓国復帰説が流れた。その度ごとに李承燁はあいまいに答えたが、今回は「韓国に復帰する考えはない。日本で引退する。宣銅烈（ソン・ドンヨル、三星監督）先輩のように日本で認められた選手として記憶に残りたい」と話した。

李承燁は一言ごとに慎重を期する。引退の話は自分に対する発破であると同時に、自信の表れでもある。李承燁は「これ以上言葉を先に出さない。いまはどん底にいるのではい上がることだけ残っている」と話す。李承燁は２００６年１１月に親指の手術を受けた後、昨年末まで指のサポーターははずせなかった。今回のキャンプではサポーターなしで打撃訓練を行っている。李承燁はサポーターとともにスランプも振り払えるものと確信している。