【時視各角】韓国の新青瓦台政策室長、サムスン叩いて大きくなった
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.06.27 11:33
人事はメッセージだと言うが、金尚祖(キム・サンジョ)氏の青瓦台(チョンワデ、大統領府)政策室長任命のメッセージは依然として五里霧中だ。彼を「柔軟だ」として政策変化を予想する人たちもいるが、本格的に財閥の腕をひねり上げるものとみるべきという見方も多い。私はどれも違うと考える。思わせぶりで終わる可能性が大きい。金室長の就任後最初の言葉のためだ。彼は「李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長も望めば会いたい」と述べた。この言葉がなぜ問題なのか。まず前任の張夏成(チャン・ハソン)・金秀顕(キム・スヒョン)室長は李副会長と会うことがなかったと推測できる。それもサムスンが望んだのに会ってやらなかったという話だ。その上サムスンのトップに会うことが一種の恩を施すというニュアンスにも読める。この政権の財閥観があらわれる部分だ。サムスンを名指ししたのはまたなぜなのか。財界の声を傾聴するという意味だったら「大企業トップのだれとでもいつどこでも会いたい」と言うべきだった。10大グループ、30大グループを差し置いてサムスンの李副会長を名指しした理由は他のところにあるだろう。私はサムスンコンプレックスのためと考える。
金尚祖室長はサムスンを叩いて存在感を増した。サムスンの現職役員社員と元役員社員、李健熙会長を検察に何回も告発した。少ない株式で皇帝経営をすれば危機が迫ると警告した。過去にサムスンとハンファだけが自身に経営諮問をしなかったとしてさらに激しく撃ちまくった。サムスン狙撃手というニックネームもその時に得た。結局サムスンから招かれて社長団講演をし、助言もする関係になった。サムスンが世界1等企業として君臨し彼の価値もともに上がった。サムスンに対する愛憎も示した。6年前には「サムスンを愛している」と言っていたが、現政権になってからは公正取引委員長の身分であえて李在鎔副会長の裁判に証人として出席し「狙撃手」の存在感を誇示した。