【噴水台】ちょっと今から仕事やめてくる=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.04.26 15:34
昨年韓国でも公開された日本映画『ちょっと今から仕事やめてくる』を今さらながら鑑賞した。恐怖映画でもないのに、主人公・青山隆の職場上司である山上部長が登場するたびに、見ている私の息が詰まり心臓は気味悪く速く打った。「ノルマ達成しろよ、このタコ」「給料から引くぞ」のように怒鳴りつける暴言はいっそ愛嬌水準。すねを蹴飛ばすことから、大韓航空の趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長夫人の李明姫(イ・ミョンヒ)氏と推定される暴露動画の中の女性のように肩を強く押して書類を顔の上に投げつけるのは普通。退社しながら「明日の朝会議に使う売り上げデータを整理しておけ」と指示して3カ月連続で夜勤だけで150時間を働かせておきながらも、ささいなミスで部署の職員全員の前で土下座をさせる屈辱までさせる。
わずか1カ月前さえも「最近、こんな会社(上司)がどこにいるのか」と、現実とかけ離れた刺激的なエンタメ映画だと考えていたが。大企業(大韓航空)から、注目を受けていたスタートアップ(セレブ)に至るまで、一部ゆがんだ性格のオーナーによる残忍なほどのパワハラの典型で社会全体が蜂の巣を突っついたかのように騒々しくなり、むしろ極写実主義映画のように感じられた。一度は地下鉄の線路へ、そしてさらにもう一度は会社の屋上から極端な選択に取ろうとするほど追い込まれた隆の無気力な恐怖に激しく感情移入するほどだった。