【社説】統合進歩党解散審判請求、徹底した法治順守せねば=韓国
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2013.09.09 09:23
統合進歩党の李石基(イ・ソッキ)議員の内乱陰謀・扇動容疑などと関連し韓国政府が統合進歩党を解散させることを検討中という。これに向け法務部は6日、「違憲政党・団体関連対策特別チーム」を構成した。国家情報院が李議員を拘束してから1日で速戦即決に出たものだ。特別チームはまた、統合進歩党が内乱陰謀容疑と関連しているかも調査することにした。政府のこうした方針は、「政党の目的や活動が民主的基本秩序に反する時に政府は閣議での審議を経て憲法裁判所に政党解散審判を請求することができる」という憲法裁判所法に従ったものだ。
だが、法務部の特別チーム構成はややもすると世論裁判や公安政局造成の序幕になりかねない。法律的に見ると李議員はまだ犯罪容疑者にすぎず、裁判所からいかなる判決も受けていないためだ。李議員の容疑を明らかにしていく捜査はいま始まったばかりだ。犯罪容疑と実体的真実は厳格に異なる。検察の起訴までは1カ月近く残っている。李議員を相手に国家情報院が10日間の調査を行い検察に送検すれば、検察は最大20日間にわたり再捜査をした後に起訴する過程を経る。犯罪容疑者が憎いからと罪が確定していない人に石を投げつけることからやってはならない道理だ。検察が起訴もしていない状況で法務部が急いで政党解散手続きに入るような印象を与える場合、かえって従北主義者に反撃の口実を提供することを国民は心配している。2011年に政局を騒がせた旺載山(ワンジェサン)事件の際に利敵団体構成容疑について大法院が無罪判決を下すと一部勢力が激しく反発した事例を忘れてはならない。法治は民主主義と同じように結果に劣らず手続きも重要だ。
国民はまた、統合進歩党解散に向けた法理検討が憲法に保障された集会・結社の自由を侵害したり、別の新たなマッカーシズムの復活につながることを望まない。韓国の憲政史上、政府が政党解散審判請求をした事例は一度もないためだ。今回の事件が反政府的な勢力や行為に対する弾圧の口実になってもならない。