過去を反省するオーストリア、過去への回帰を夢見る日本(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2014.06.24 15:03
100年前の1914年6月28日、オーストリア帝国のフェルディナンド皇太子夫妻がセルビアで、ある民族主義者の青年に暗殺される。これに対しオーストリアはセルビアに戦争を宣言し、ロシア・ドイツ・英国・フランスなどが次々と参戦して第1次世界大戦が始まった。
戦死者だけで900万人にのぼったこの戦争は、歴史上最も残酷な戦争として残った。その余波で当時世界の列強と呼ばれた4つの帝国-オーストリア・ドイツ・ロシア・オスマン-が没落し、旧ソ連では共産ソビエト政権が誕生した。20世紀の人類の運命を変えたのだ。第1次世界大戦に関連し、なんと2万5000種類もの書籍が発刊されたという事実は、この戦争が人類史にどれほど大きな影響を及ぼしたかを端的に見せている。
こうした中、オーストリア外務省は戦争勃発100年を迎えた今年初め、戦争の原因と波紋を総合分析した研究報告書を発刊した。特にこの報告書は100年前の戦争を客観的に省察するオーストリア人の視点が反映されているという点で大きな注目を受けた。ほぼ同じ時期、安倍首相が現在の北東アジア情勢を第1次世界大戦勃発直前の状況に例え、国際的な論争を招いたのと対比される。