【社説】金正男氏殺害が力を与えた「北朝鮮政権交替論」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.02.17 14:46
今月13日、マレーシアのクアラルンプール国際空港で起きた金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件は、北朝鮮が背後についた国際犯罪という方向で固まりつつある。李炳浩(イ・ビョンホ)国家情報院長も15日、国会情報委員会で金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党委員長が相当期間前から必ず遂行するべき命令「スタンディングオーダー」として、正男氏の暗殺を指示していたと明らかにした。韓国政府はマレーシアやベトナムなど関連国と緊密に協調して正男氏殺害の背後に迫ることに力を結集させなければならない。
今回の事件が北朝鮮の仕業であることが分かれば、その波紋は計り知れない。まず、国際社会は北朝鮮政権指導部がどれほど時代錯誤的で危険なのかを切実に感じざるを得なくなる。このような異常な政権が核と長距離ミサイルを手にできないように、制裁の手綱をもっと強く引き締める契機になる可能性が高い。特に、北朝鮮政権が韓半島(朝鮮半島)や北東アジアはもちろん、世界平和まで脅かす危険があるとの主張が広がり、北朝鮮政権交替論に力を与えるようになるだろう。説得や交渉で北朝鮮政権の危険性を取り除くことはできず、ただ政権交替だけが世界平和と北朝鮮住民の生存に有効だという声が高まるだろう。これまで保護してきた正男氏が殺害されて侮辱を感じている中国をはじめ、国際社会のどこの誰もこのような状況で北朝鮮政権に助け舟を出すことはできない状況だ。結局、正男氏殺害は北朝鮮政権が墓穴を掘ったようなものだ。