【時論】文化隆盛、韓国食堂に道がある

【時論】文化隆盛、韓国食堂に道がある

2013年10月08日13時52分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  最も韓国的で伝統的な価値を世界的水準に開発・融合・発展させることができる対象は何かと尋ねるならば、私は迷うことなく味覚だと話すだろう。音楽が万国共通語であるように、味覚もやはり人種と年齢に関係なくみんながともに疎通し融合できる万国共通の価値だ。したがって韓国の伝統味覚の世界化に向け欠かせないのが観光産業育成で、その核心要素は当然食堂だ。食堂の繁盛は文化融合・隆盛の糸口となる。これは朴槿恵(パク・クネ)政権が指向する文化隆盛に礎の役割をする良い資産であり社会的コンセンサス形成という成就も得られる。

  日本の寿司、フランスのワインなどの実例を通じ、味覚を通じた文化的共感は究極的には世界一体感という半永久的な大きな成就を得られるということがすでに立証された。食べ物の歴史とはその国の文明の発展史であると同時に未来でもある。問題は韓民族の歴史的背景が文化隆盛の可能性であると同時に限界として作用しかねないという点だ。

  文化とは時代の変化とともに進化・開発・発展するもののため、現在へとつながる伝統は当然その価値が時代と合わせて発展してきたものでなければならない。ところが韓国の文化は朝鮮王朝滅亡とともに断絶し進化が中断されたまま今日に至った。日帝強占期と韓国戦争を経て伝統文化の経済的な未来価値の創造活動は中断され、外来文化が主人のように振る舞う経験をした。その後「漢江(ハンガン)の奇跡」という経済神話は成し遂げたが主体的精神成長を放置した結果、韓国社会は物質万能、社会的対立、文化アイデンティティ消滅という代価を払っている。

  これを正さなくては先進文化大国に発展できないという認識が朴槿恵大統領の文化隆盛という思想を誕生させたと考えてみる。これは韓国の文化アイデンティティを再確立し韓国の文化商品とサービスの価値を世界水準に高度化することによって内需経済を起こし、文化的地位をより高めていくという覚悟であり決意だろう。

  筆者は49年の歴史を誇るスペインの小さな食堂エル・ブリから文化隆盛のインスピレーションを得たことがある。1984年にここの総料理長になったフェラン・アドリアの信念と努力がスペインの文化的地位を世界的に高めた例がそれだ。25年間のたゆまぬ投資と情熱で食堂を運営してきた彼は、分子ガストロノミーの創始者として1年のうち6カ月だけ営業し、残りは世界の料理文化研究を通じて得たインスピレーションで新しいメニューを開発して世界の美食家の耳目を集めた。驚くべきは2000年以来アドリアの食堂はずっと赤字という点だ。赤字を講義と本の出版で埋めていくという彼の経営哲学を一般人が理解することは容易ではない。だが、エル・ブリという小さな食堂を通じ料理研究者がスペイン全体の食文化のイメージとブランド価値を世界的に高めた。

  韓国の文化隆盛もこのように小さな食堂を通じ成就することができる。5000年の歴史と伝統を徹底的に把握して再解釈し最も韓国的で世界的である差別化された建物、内部空間とインテリア、台所・ユニフォーム・工芸品および小道具・陶磁食器・酒・音楽・サービスなどを新しく創造することだ。そして韓国だけの哲学と話があふれる料理を作り洗練して準備しよう。世界の人たちすべてが感動し楽しめる食堂を創造・運営できる底力を十分に持つ民族ではないのか。

  これを通じ韓国固有の味覚的な価値と文化的ストーリーを内外に知らせ、そこから派生する衣食住文化が開放的に疎通し進化・発展するならば、小さい食堂のひとつひとつがまた別の文化神話を作り出す文化融合展示館であり文化体験館になるに違いない。食堂こそ文化隆盛実践の最小・最適な実験空間であることに間違いない。

  趙太権(チョ・テグォン)広州窯会長
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