【コラム】劇薬処方をちらつかせる“輪転機安倍”(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2012.11.27 15:17
しかし後日、日銀は深く懺悔した。 1983年に編纂された日本銀行百年史にはこう書かれている。 「昭和7年(1932年)秋に本行が国債の本行引受方式の実施に同意したことは、やがて本行からセントラル・バンキングの機能を奪い去るプロセスの第一歩となったという意味において、まことに遺憾なことであった」。日銀の国債引受は国家債務を大きく増やし、インフレを招いた日本財政・金融史の大きな失策という結論が出ている。
当時これを主導した高橋是清蔵相については「崩壊危機にあった日本財政の生命線を老躯を投げて補強し、世界大恐慌から真っ先に日本を立て直した」という評価もある。 とはいえ「一時的な便法」が慣行化して拡大する危険があるということを看過した責任は大きい。