北朝鮮のガソリンスタンドは主に政府が運営するが、新興富裕層が運営するところも出てきている。注油クーポンをガソリンスタンドで購入し、給油員に渡せばよい。クーポンはユーロ貨幣で販売される。ドルよりユーロが通用するからだ。クーポン１枚は１０－３００ユーロ。長距離を行く場合は３００ユーロのクーポンを購入し、自動車を満タンにした後、残りは容器に入れて行ったりする。地方にはガソリンスタンドが少ないため、空になればすぐに給油する。平壌でガソリンスタンドを運営した平和自動車の関係者は「給油員は優秀な人を厳選して採用する。北では石油が貴重な原料であり、盗まれたりする可能性が高いため」と説明した。昨年１月に朝鮮中央テレビが放送した「生物ディーゼル油」という番組には、勤務服を着た女性給油員が登場した。

ガソリンスタンドが少ない北朝鮮で、運転中にガス欠になればどう対処するのか。韓国の交通警察官にあたる交通保安員が解決する。交通保安員は国防委員会傘下の人民保安部（韓国の警察庁）所属だ。このため交通保安員と呼ぶ。

交通保安員は常に燃料を保管している。交通違反で摘発された車から罰則の代わりに燃料を抜くからだ。したがって交通保安員が燃料切れの車を給油できる。給油を受けた運転手はお礼にお金や物を渡す。物は車に保管中の高級酒やたばこだ。

中国とロシアが北朝鮮のガソリンスタンド事業に参入すれば、韓国が未来の市場を失う可能性もある。朴槿恵（パク・クネ）大統領は１６日、統一準備委員会委員長団会議で、「統一後の北のインフラ建設と資源開発計画を考えるべき」と指示した。統一後も重要だが、統一前の計画も必要であるようだ。

コ・スソク統一文化研究所研究委員


車が増えた平壌の道路、クーポン受けるガソリンスタンド増加（１）