【コラム】早く訪れた韓国の名節・秋夕、なぜこれほど空しいのか(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.09.10 14:36
早くに訪れた秋夕(チュソク、中秋)の連休を終え、市民が次々と日常に戻っている。振替休日として一日さらに休む官公庁と金融機関もあるが、今日から業務を再開する職場が多い。秋夕連休を過ごしたが、何か物足りない感じだ。今年の秋夕が節気を追い抜いて早く訪れたからでもあるだろう。豊かな収穫の季節を象徴する秋夕を実感するには9月上旬はやはり早いようだ。穀物はまだ実らず、クリ・ナツメももう少し待たなければならない。古米で作った松餅(ソンピョン)とまだ熟していない果物を祭壇にのせようとすれば、秋夕の気分にはならず、先祖にも申し訳ない。
それだけではない。故郷から戻る人たちが感じる空しさの底には、未来に対する不安感があるのではないだろうか。贈り物を持って帰省できた人たちは早い秋夕でもまだよかっただろう。しかしまだ就職できなかったり、事情が厳しく手ぶらで帰省する気がなれなかった多くの人たちは、節気に関係なくこの秋夕にも雰囲気を感じにくかったはずだ。ひょっとすると秋夕のようでない秋夕がむしろ幸いだったのかもしれない。