アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開かれているベトナムの首都ハノイは活気にみちている。オートバイと自転車の巨大な行列が道路を埋めている。商店街は不夜城だ。街中に掲げられたAPECの旗が都市の躍動感を増す。
昨年、国内総生産(GDP)の8%成長、文字解読率94%を達成し、今年予測される海外誘致投資金額は60億ドル(約6600億円)。およそ20年前、米国との戦争(1960~75年)で焦土化したベトナムの現住所だ。12日に開幕したAPEC会議で、この国全体がうきうきしている。
キエム副首相は「建国以来最大の行事だ」と興奮した。大規模な人材を投入してコンベンションセンターを200日間で完成し、来賓への応対のため数千人の学生を動員した。行事のクライマックスは17日、ブッシュ米大統領の入国だ。69年の戦争当時、ベトナムを訪れたニクソン元大統領以来、現職の米大統領としては初めての訪問となる。