韓経:韓国、海外旅行比率が世界1位…「生活の質追求」vs「過消費」

韓経:韓国、海外旅行比率が世界1位…「生活の質追求」vs「過消費」

2017年12月25日10時30分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
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24日、仁川国際空港旅客ターミナル3階の出発ロビーはクリスマス連休を海外で過ごそうとする空港利用客で混雑した。年内の出国者数は2600万人を超え、昨年に続いて過去最多となる見込みだ。
  霧と粒子状物質が空を覆った24日午後。仁川(インチョン)空港はクリスマス連休を迎えて海外旅行に行く人たちで込み合った。5月と10月のゴールデンウィークに劣らない混雑ぶりだった。前日から航空機の遅延・欠航が続き、怒りを表す旅行客もみられた。しかしほとんどの人は旅行に期待を膨らませた明るい表情だった。ある大学生は「欧州バックパック旅行に行くため3カ月前から日程を組んで宿舎などを予約した」と語った。

  今年の仁川空港の出発ロビーは年中、海外旅行に行く人たちで賑わった。空港、航空会社、旅行会社ともに収益を出した。しかし韓国はその代償として今年150億ドルの旅行収支赤字を覚悟しなければいけない。18年連続の赤字であり、グローバル金融危機直前の2007年(158億ドル赤字)とほぼ同じ規模だ。景気回復、所得増加、格安航空会社(LCC)増加などで海外出国者は過去最多となったのに対し、THAAD(高高度防衛ミサイル)報復などの余波で訪韓外国人はその半分にも達しなかったからだ。

  今年の出国者は昨年(2238万人)に比べて400万人ほど多い2600万人(延べ人数基準)と見込まれる。人口比の出国率50%は世界最高だ。昨年まで40%台の出国率で世界1位を維持してきた台湾を初めて上回る。人口1億2000万人で今年の出国者が1800万人(14%)という日本と比較すると、韓国の比率がどれほど高いかが分かる。中国の人口比の出国者(1億5000万人)比率も日本と似た水準だ。

  急増する韓国人観光客を引き込むために海外航空会社が仁川空港に集まり、韓国を出入りする航空会社は今年初めて100社を超えた。仁川空港と金海(キムヘ)空港の旅客もそれぞれ過去最多となり、それぞれ6000万人、1600万人以上となった。世界の空港のうち利用客が6000万人を上回るのは仁川を含めて7カ所(ドバイ、香港、ヒースロー、スキポール、パリ、チャンギ)にすぎない。

  国内格安航空会社(LCC)業界トップのチェジュ航空は今年初めて売上高1兆ウォン(約1000億円)、営業利益1000億ウォン達成を見込んでいる。今年1-9月期の売上高は7348億ウォン、営業利益は839億ウォンと、前年同期比でそれぞれ31.9%増、54.1%増だ。すでに昨年全体の営業利益(587億ウォン)規模を超えている。ジンエアー、ティーウェイ航空なども今年、過去最大の実績が予想されている。業界では「中国のTHAAD(高高度防衛ミサイル)報復による打撃はほとんどなかった」という声も出ている。

  ◆30歳以下の旅行も過去最多

  旅行業界も喜んでいる。旅行の需要が多角化し、最近パッケージ旅行がまた注目を受けているからだ。

  韓国の主要旅行会社ハナツアー、モドゥツアー、インターパーク(旅行部門)の今年1-9月期の営業利益は前年同期比それぞれ46.1%増、62.5%増、211.6%増となった。旅行業界の関係者は「自由旅行を好んできた若者までがパッケージ旅行に目を向け、予約の電話が増えている」と伝えた。

  特に今年の海外旅行客が大幅に増えたのは、3%台の経済成長率と輸出活況によるウォン高の影響が最も大きいというのが専門家らの分析だ。

  さらに来年は国民所得3万ドル入りが確実視されている。これを受け、先月の消費者心理指数は2010年12月以来6年11カ月ぶりの最高水準となった。1年前に1ドル=1200ウォンだった為替レートは現在1ドル=1080ウォンと、ウォン高ドル安が進んだ。

  韓国ウォンは日本円に対しても値上がりしている。22日には2015年12月以来となる100円=952ウォンとなった。ウォン高を受け、無所得または所得が少ない若者までが空港に出てきている。昨年29%だった30歳以下の出国者比率は今年初めて30%を超えると予想されている。

  韓国人がよく利用する海外主要観光地のホテルはすでに年末の予約がほぼ埋まった状態だ。来年の旧正月連休に海外に出る人たちも航空券を購入するのが難しいという。

  ホ・ウィヨン韓国航空大経営学部教授は「過去には生涯に一度行くかどうかという海外旅行の基準が大きく変わった」とし「所得の増加とLCCの増加で海外旅行が増えるのは世界的な傾向」と説明した。

  ◆問題はないのか

  しかし急増する旅行収支赤字と中国の猛烈な追撃を受けている韓国産業界を考えると、人口比50%の出国率はマイナスの面もあるという警戒論も出ている。通貨危機を迎えた20年前の1997年に観光収支赤字が112億ドルに達した点を指摘する人もいる。

  イ・ギジョン慶煕大観光学部教授は「半導体の好況に浮かれて、誰もが無分別に海外旅行をした当時を我々は振り返ってみる必要がある」と話した。韓国を訪れる外国人観光客が出国者の増加幅ほど増えるよう観光インフラを画期的に改善する努力も必要だと強調した。

  鄭昌洙(チョン・チャンス)韓国観光公社社長は最近、国内外支社の映像会議を主宰し、「出国者が外国人入国者の倍を上回る奇形的という状況が10年ぶりに再現することが確実視される」とし「このような状態を続けることはできないだけに対策を建議してほしい」と述べた。

  国内旅行の質を早期に高めるべきだという主張も絶えず提起されている。海外に比べて競争力を持つ観光地域が少ないうえ費用もかかるため「海外旅行の方が良い」と考える旅行客が多いということだ。「雪岳山(ソラクサン)ケーブルカー」問題のように内需観光活性化を妨げる規制も少なくない。

  ク・ジョンモ韓国経済学会長(江原大教授)は「観光産業は製造業に比べて付加価値と就職誘発効果が大きい」とし「海外旅行の需要を国内需要に移すことができる画期的な内需振興策が求められる」と述べた。
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